当たり前になったESG投資、「重要なのは投資戦略」=Global X Japan社長の金村昭彦氏に聞く
――ここ数年で ESG投資に対する注目が高まってきたように感じます。背景を教えていただけますか。
ご参考までに、その後の経緯についても少々お話しますと、2006年に、ESGについての投資家の責任を明確にするために国連が定めたのが責任投資原則(PRI)です。2015年の国連サミットで採択された、ESGをベースにした持続可能な開発のための17目標がSDGsです。
――ESG投資を掲げる金融商品の増加とともに投資家の選択肢も広がっています。選択の際に注意すべきことを教えていただけますか。
ESG投資が当たり前になってきた今、重要なのは投資戦略です。つまり、ESGの観点を持った上で、何にどのように投資するかが問われています。テクニカルな話になりますが、ESG投資の手法についてお話します。ポジティブスクリーニングやネガティブスクリーニングは、比較的シンプルな投資スタイルです。ESGインテグレーションは投資の意思決定にあたり、ビジネスモデルや財務諸表分析のみならず、ESGの観点も考慮するものです。
各投資手法がどの程度採用されているのかをGlobal Sustainable Investment Reviewのデータでみると、比較的導入が容易なネガティブスクリーニングの採用が最も多いですが、その次にESGインテグレーションが来ています。先ほどお話した通り、ESG投資において投資戦略が重要になってきていることが見て取れます。
――Global X Japanは、3月31日にESG関連ETF2銘柄を上場させました。こちらについてご説明いただけますか。
1つは「グローバルX MSCI ガバナンス・クオリティ−日本株式 ETF」(2636)(以下「ガバナンスETF」)というもので、投資先の選定にあたり、ガバナンスの観点に加えて、財務クオリティの観点を導入したものです。もう1つは、「グローバルX クリーンテック ESG−日本株式 ETF」(2637)(以下「クリーンテックETF」)で、脱炭素化の流れの中で成長が期待できるクリーンテック企業に着目し、各銘柄の比率をESGのE(環境)スコアを勘案して決定するものです。
――ガバナンスETFについてご説明いただけますか。
連動を目指す指数は日本国内に上場する銘柄を母集団とし、ガバナンス及び財務クオリティによるスコアリングにより125銘柄を選定します。指数は2009年に設定されました。当時は海外企業と比較して、日本企業のガバナンスが劣後していたことから、市場にガバナンス改善を働きかけるエンゲージメント・ツールとして開発された指数です。ガバナンスは取締役多様性等11の指標で評価されます。財務クオリティはROE等3つの指標で評価されます。ガバナンス・スコアとクオリティ・スコアをかけたものが総合スコアとなり、その上位125銘柄が指数の構成銘柄になります。なお、各銘柄の比率は、総合スコアを考慮して決定されます。
