ソフトバンクが、傘下の半導体設計企業のArmを、チップメーカーのNVIDIAに売却したと発表しました。取引価格は最大400億ドル(約4兆2000億円)で、完全に売却されるまでおよそ18カ月かかるとのことです。

当社子会社Arm Limited全株式の売却に関するお知らせ

(PDFファイル)https://group.softbank/system/files/news/press/2020/20200914/pdf/20200914_ja_01.pdf

NVIDIA to Acquire Arm for $40 Billion, Creating World’s Premier Computing Company for the Age of AI | NVIDIA Newsroom

https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-to-acquire-arm-for-40-billion-creating-worlds-premier-computing-company-for-the-age-of-ai

Nvidia buyout of ARM is imminent, report claims - so watch out AMD and Intel | TechRadar

https://www.techradar.com/au/news/nvidia-buyout-of-arm-is-imminent-report-claims-so-watch-out-amd-and-intel

ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏は「NVIDIAはArmにとって理想的なパートナーです。Armを買収して以来、私たちは私たちの掲げたコミットメントを重んじ、人材、テクノロジー、R&Dに重点的に投資し、高成⻑を見込める新しい領域にビジネスを拡大してきました。テクノロジーのイノベーションにおける世界のリーダーと一緒になることはArmに新しくエキサイティングな機会をもたらします。このたびの両社の魅力的な連合は、Arm、ケンブリッジ、英国が現代のテクノロジーのイノベーションの最前線に立つことであり、当社がNVIDIAの主要株主として、Armの⻑期に渡る成功に投資していくことをうれしく思います。今後のビジネスの継続的な成功をサポートしていけることを楽しみにしています」と述べています。

Armはイギリスの電子機器メーカーで、プロセッサ用のRISCアーキテクチャである「Armアーキテクチャ」を開発しました。Armは2016年に320億ドル(約3兆3000億円)で全株式をソフトバンクに買収されましたが、2020年7月8日に事業を分割し、IoT部門をソフトバンクに移管し、半導体設計のIP事業はそのままArmとして残すことを発表しました。

ArmがIoT部門をソフトバンクに移管すると発表 - GIGAZINE



そして、その1週間後にソフトバンクがArmの売却を検討していることが報じられました。ソフトバンクは、コワーキングスペースサービスのWeWorkの新規株式公開失敗や、ペットケアサービス企業のWagの経営撤退など、投資事業で不振が続いたこともあり、創業以来の大赤字をたたき出していました。これを受けて、ゴールドマン・サックスがArmの売却を助言したといわれています。

ソフトバンクがArmの売却を検討 - GIGAZINE



当初はArmベースの独自CPUを製品に組み込むと発表したAppleがArmを買収すると報じられましたが、交渉は決裂。そして2020年8月には「NVIDIAがArmを買収したがっている」というウワサが報じられました。このウワサに対して「NVIDIAによるArmの買収は業界全体の停滞につながる恐れがあり、規制当局はこれを許可すべきではない」という意見も挙がりました。

NVIDIAによる半導体設計・Armの買収は「非常に悪いアイデア」 - GIGAZINE



なお、今回の決定によりソフトバンクが持つArmの全株式がNVIDIAに売却されることとなりますが、分離が決定されたIoT部門はこの取引の対象外になるとのこと。また、NVIDIAとArmはすでにライセンス契約を締結しているため、Armがこれまで管理してきたライセンスはすべてNVIDIAに付与されることとなります。