『リングフィットアドベンチャー』が究極の筋トレゲーと大評判のワケ 筋肉痛になるほど面白いってホント⁉︎

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「楽しさ」と「ガチさ」を両立

2019年10月18日に発売されたNintendo Switch向けタイトル『リングフィット アドベンチャー』が人気を博し、各店舗で品切れを起こしている。本作のCMには新垣結衣が出演するため、それで作品の名前だけは見たことがあるという人も多いかもしれない。

ファミ通によると、2019年11月3日時点で『リングフィット アドベンチャー』の国内売り上げは約18万本とそれなりの数値だが、実は発売初週と2週目の売上がほとんど同等というゲームでは珍しい状況になっている。さらにその後も口コミで広がりを続けており、品切れ状態になっているというわけだ。今はまだ流行りはじめの段階であり、今後一気に跳ねる可能性もある。

『リングフィット アドベンチャー』パッケージ(画像はマイニンテンドーストアより)

もともとフィットネスとゲームを組み合わせた作品というのには需要があり、2007年12月発売の『Wii Fit』は全世界で2267万本の販売を記録している。あるいはイマジニアというメーカーは、Nintendo Switchで『Fit Boxing』というボクササイズ系タイトルを30万本ほど販売。サードパーティーにしては十分な成果といえるだろう。

このほかにもフィットネス系ゲームはかなりの数が出ているが、ひとつ問題がある。この手のゲームは続けるのが難しいということだ。ゲームであっても結局のところ面倒な運動をしなければならないので、プレイヤーはすぐやめてしまうというわけである。

そして、運動はきちんと身体に負荷をかける必要がある。スポーツジムに通っても負荷のないエアロバイクに乗っていては意味がないように、ゲームによるフィットネスも効果がなければ遊ぶ意味がない。

『リングフィット アドベンチャー』がなぜ流行の兆しを見せているのかといえば、この2つの問題をきちんと解決しているからだ。そう、本作を遊んだ人はその“ガチさ”と、“フィットネスなのに楽しい”ことに驚くのである。

フィットネスにRPGの面白さをプラス

『リングフィット アドベンチャー』はフィットネスをゲーム化することで、前述に示した「ゲームの継続性」と「フィットネスの有効性」という2つの問題を解決した。本作にはアドベンチャーモードがあるのだが、それはまるで「身体を動かすことで戦うRPG」のようになっている。

ステージを選択すると、まずは道中をジョギングで走り抜けることになる。走っていると景色が変わるのはもちろん、動物がいたり滝が流れていたり、あるいはリング型コントローラー「リングコン」を押したり引いたりすることでお金やアイテムが手に入る仕組みもあるのだ。

ステージの見た目も美しくプレイヤーを飽きさせない。フィットネスの内容もステージによって変化する

そして、敵と遭遇したらバトルになる。戦う際はフィットスキルなるものを使って攻撃するのだが、本当に筋トレ、ヨガ、有酸素運動などを行って戦うことになる。具体的には「スクワット」や「プランク」、あるいはかなりキツい「マウンテンクライマー」、普段の姿勢を改善させる効果を持つとされる「英雄のポーズ」など60種類が用意されている。

きちんと監修も入っているとあって運動内容は本格的で、1日30分程度が限度の設計となっている。運動不足の人が遊べば間違いなく汗だくになり、翌日の筋肉痛は免れないだろう。

さらにフィットネスをすると「EXP(エクササイズポイント)」が入ってレベルがあがったり、溜めたお金で装備を買ってキャラクターを強くすることもでき、ミニゲームも存在する。ストーリーは簡素だが楽しい要素がたくさんあり、ついつい“身体はめちゃくちゃしんどいのに、どうしても先を見たい”と思わせることに成功しているわけだ。

運動負荷を高めれば、ザコ敵を倒すのにスクワットを30回以上もする必要が出てくるだろう。しかしゲームとして楽しいと、つらくても100回くらいはできてしまうのだから驚きだ。おもしろいからこそ、このゲームでの身体づくりが続くのである。

Switchを代表する一作になる予感

とはいえ、「実際のところフィットネスとしてはどうなのか」というのが気になるところだ。極端な話ズルをしようと思えばできなくないし、本格的に運動効果を出したいのであれば、トレーニングメニューをしっかりと考える必要がある。

最終的にはプレイヤーの良心に委ねられるわけだが、運動負荷が軽すぎるとゲーム側からコメントが出てくるし、オーバーワーク(トレーニングしすぎ)になりそうなときも同様だ。プレイヤーに運動をしたいという気持ちが少しでもあれば、『リングフィット アドベンチャー』はそれに応えてくれるという作りになっている。

本作はリング型コントローラー(画像右)とレッグバンド(画像左)で運動を検知する。押し込む強さや走る速さなども計測可能

リング型のコントローラーも優秀で、しっかり押し込むだけでもかなり力を使ううえに丈夫。さらにNintendo SwitchのJoy-Conというコントローラーについている位置・傾き検知機能を使いきちんと運動できているか確認できるうえ、運動後には脈拍も図ることができる。

もし腰や肩などを痛めているのであれば、その部分をボタン操作に置き換えることも可能だ。運動前後はメニュー内容にあわせたストレッチを勧めてくれるし、各部位を鍛えるシンプルなモードも用意されている。これらもうまく活用すれば、より良いトレーニングが行えるはずだろう。

『リングフィット アドベンチャー』は、運動したいけれども続かない人のやる気を増幅させると同時に、楽しさを与えている。これはまさしくゲームの仕組みをうまく運動に利用した例で、「面倒で辛いフィットネスをここまで楽しくできるのか」と驚きが起こり、ブームになりつつあるのだ。

ネックがあるとすれば、『リングフィット アドベンチャー』がNintendo Switch向けであるということだろう。本作は携帯専用のNintendo Switch Liteには非対応となっている。

Nintendo Switchシリーズは2019年11月時点で国内で1000万台を越え、海外では約4170万台を売り上げている。これからの年末商戦を考慮すればWiiを超えそうなほど勢いがある。そしてブームの兆しを見せている『リングフィット アドベンチャー』もまた、Nintendo Switchを代表する一作になるかもしれない。