恋人がいると健康にもなる!? キスで「アレルギー」が治るってほんと?
愛情表現やあいさつに用いられる「キス」。甘酸っぱい青春の思い出なんてロマンチックなイメージに反して「薬」になるのはご存じでしょうか?
恋人とのキスは花粉症やアレルギーの緩和に役立つことがわかり、今年のイグ・ノーベル賞を受賞しました。アレルギーを引き起こす物質の血中濃度が下がるといいますから、まさに薬の役割を果たしているのです。相手のバイ菌をもらって抵抗力を高めるのもキスの役割で、言い換えれば予防接種のようなもの。病気がちなひとは、恋人とキスする機会を増やすと良さそうです。
■アレルギーを緩和する「キス」
ノーベル賞に対し、思わず吹き出してしまうようなテーマが多いイグ・ノーベル賞。過去には「ペンギンのウンチはどれくらい飛ぶのか?」「バナナの皮で本当に転ぶのか?」などが受賞し、最近は日本人の受賞も続いています。今年は、キスによってアレルギーが緩和されるという研究で日本の医師が受賞しました。多くのひとが悩まされている花粉症が、カンタンに和らげられる可能性が生まれたのです。
対象は花粉症だけでなく、アトピー、アレルギー性鼻炎のひとにも有効とされ、恋人や伴侶とキスすることで症状が和らぐというのです。ストレスを減らし、精神的にリラックスすることがポイントとされていますが、血液中にあるアレルギーを引き起こす物質が減るというデータもあるので、気持ちの問題だけでなく、「薬」的な作用もあるというから驚きです。
■キスは菌の交換のため?
キスには免疫を高める効果もみとめられています。自分が持っていないバイ菌をもらうことで、強いからだを作っているのです。
女性にとっては聞きたくない話でしょうが、どんなにキレイにしていても人間のからだはバイ菌だらけで、成人になると100種類以上の菌とともに暮らしています。これらは「いつもいる」の意味から常在(じょうざい)菌と呼ばれ、ビフィズス菌のような役に立つものもいれば、ニキビの原因で知られるアクネ菌など悪さをするものもいます。口のなかには虫歯の原因となるミュータンス菌、食中毒のもととなる黄色ブドウ球菌なども存在し、キスはこれらを「移す」働きを兼ねています。
菌コエェ!と心配しなくても大丈夫、ある程度抵抗力のついたおとな同士なら、自分が持っていない菌をもらうことで、自分のからだを強くできるからです。いままで持っていなかった菌が体内に入ると、最初は具合が悪くなるかも知れませんが、やがてその菌に対抗する力がつき、つまりは免疫力が高まるのです。これはまさに「予防接種」と同じ原理ですので、人間はキスによって互いを強くし合っている、とも表現できるのです。
ただし、これはある程度の免疫力がついていることが前提で、赤ちゃんやからだが弱っているひとのキスは「害」になることもあります。ママが虫歯だと赤ちゃんが虫歯になる率は2倍にも高まるというデータもあり、これはまさにミュータンス菌が移った証拠。箸やスプーンを介した「間接キス」でも移るので厳禁、もうすぐ結婚!と考えているひとは、まずは虫歯の治療に専念しましょう。
年末年始には親戚と会う機会が増え、なかにはちびっ子もいるでしょうが、虫歯を移してはタイヘンですので、再会の「チュウ」は控えたほうがよさそうです。
■まとめ
・キスがアレルギー症状を緩和することがわかった
・この研究で、イグ・ノーベル医学賞を受賞
・自分のバイ菌を移し、相手の免疫を高める「予防接種」のような作用もある
・虫歯も移るので、赤ちゃんやちびっ子へのチュウは要注意
(関口 寿/ガリレオワークス)
