果たしてユーキリスは? 昨季、楽天の助っ人が活躍できた要因とは
期待を寄せられる大物助っ人
今季、楽天イーグルスにメジャー150発を誇る大物助っ人が加入する。ケビン・ユーキリス内野手。1979年3月生まれの34歳で、01年のドラフト8巡目でレッドソックスに指名されて以降、ホワイトソックス、ヤンキースと渡り歩いてきた。3度のオールスター出場を誇り、ゴールデングローブ賞も獲得。07年にはレッドソックスでワールドシリーズ制覇も経験しており、新天地の楽天でも大きな期待を寄せられている。
果たしてユーキリスは日本で活躍できるのか。野球解説者の松本匡史氏は、外国人選手が日本で成功を収めるための条件として、いかに日本人投手のボールを見極められるかを挙げる。つまり、選球眼の良さだ。
「日本のピッチャーはコントロールがいいので、外国人の選手はボール球に手を出してしまうことが多い。その対応が難しくなると思います。たとえば、ジョーンズにしてもマギーにしても、しっかりボールを見ることができていたのが良かった」
松本氏が例に出す楽天の助っ人コンビは昨季、入団1年目ながらチームの日本一奪取に大きく貢献。マギー(31)は打率.292、28本塁打、93打点、ジョーンズ(36)は打率.243、26本塁打、94打点と好成績を収めた。その裏には、彼らの日本プロ野球に対する真摯な姿勢が影響していたと松本氏は分析する。
「2人は僕の知っている外国人にはあまりいないタイプだった。外国人選手はけっこう積極的に打ってくるバッターが多いし、多少ボール球でも打ちにいく。でも、マギーとジョーズは違いました。キャンプ中から必ず2人で話をしていました。オープン戦で打てなくても、ボールを見るということをやっていた。そのピッチャーがどういう球を投げるのか、打ちにいかないで最後の最後まで見る。それはすごいなと思いました。
まずストライクゾーンを知るということが大事。向こうの審判と日本の審判では違いますからね。2人はシーズン中も打席が終わったらベンチで必ず話をしてチェックをしていたし、それが良かったのだと思います。シーズン後半、マギーがちょっと落ちてきたのは、打ちたいという気持ちが強くてボールに手を出したから。そこをきちっとやれていればそんなに崩れないと思う」
ジョーンズの存在は大きい
ジョーンズのようなメジャーでかなりの実績がある打者でも、日本の野球をリスペクトし、勉強熱心な姿勢を見せていた。それが入団1年目からしっかりと結果を残せた要因の一つだったと松本氏は見ている。
では、ユーキリスはどうか。メジャーで長らく4番を務めた経験を持つ同選手は選球眼がいい選手として知られており、メジャー通算打率.281に対し、出塁率は.382と1割以上も高い。勝負強さも際立っていた。ただ、松本氏は慎重だ。
「彼のバッティングの形は知っているし、すごい打ち方をする。あれで、メジャーで対応しているから大丈夫だとは思うが、問題はオープン戦に入ってどれくらいやるかでしょう。やってみないと分からない部分も多いし、そこで初めて判断できる。ただ、ジョーンズの存在は大きいと思いますね」
確かに過去を振り返れば、外国人選手の当たり外れは激しく、期待された外国人選手が成績を残せず帰国したケースも少なくない。ただ、松本氏が指摘するように、ジョーンズが今季も残留したことはユーキリスにとっては非常に心強いだろう。あらかじめ日本の投手の特徴や審判の感覚などを情報収集できれば、比較的早く順応できるかもしれないからだ。ユーキリスがメジャーで見せていたような選球眼の良さを日本でも継続していくことができれば、楽天にとっても大きな戦力となるに違いない。

