――代官山UNITの2DAYSを終えて、まだ恵比寿リキッドルームでのワンマンをやる前に、「今後どこでライブをやりたいですか?」と聞いたら「Zepp Tokyoでやってみたい!」と答えられたので、「近い内にできると思いますよ」と言いましたが、本当に実現しちゃいましたね。

のっち:もっと遠い夢だったので、こんなに早く叶うとは思っていませんでした!「夢です!」と言えるほどのものじゃなかったので、自分達でもびっくりしましたね。

――ロックバンドとかで、どんなにステージが大きくても、変わらずにステージ中央に固まってやる人達もいますが、Zepp Tokyoとかステージが大きくなるにつれ、逆に困ったことはありますか?

あ〜ちゃん: 3人のフォーメーションを変えるためには、この幅じゃないといけない、というのがあるんですよ。ずっとそれでやってきていて、狭くなるのは何とかなるんですけど、広くなるのは結構大変な作業で。普通の曲は大体そのままでやりましたけど、盛り上げるためにみんなで振りをやる所とか、ステージの端まで行くのは、もう最大限に使えるように。そういう所だけは考えてやりましたけど、多分使いこなせていなかったですね(笑)。

――「Perfumeの掟」には様々な反響があったかと思いますが、どのような経緯でやることになったんですか?

のっち:前回のライブの時に「キラキラ歌特集」みたいな感じで、人の歌を歌ったりするコーナーを作っていたんですけど、それに代わって何か無いかな?と考えた時に、ずっと振り付けをして下さっている先生がニューヨークにいて演出の勉強をしているんですけど、その先生の方から「Perfumeを演出したらどうなるか、一個のコーナーを作らせてもらえないかな?」みたいな感じで。どういう感じのものになるか色々と見たりして、「じゃあ、お願いしようか」となって、「Perfumeの掟」ができたんです。

――曲中に「大人の事情で〜」などの台詞が出てきますが、あれはメンバーが考えたんですか?

あ〜ちゃん:全て先生です。でも、自分達の意見を入れている所もありますね。あまりにいつもやらないことだから、そればかりが目立っちゃうのが嫌だったんですよ。だから、やるかやらないか、ものすごく考えて、「やった方がプラスになるだろう」という話になって、やらせて頂いたんですけど結構、好評だったみたいで。すごく迷ったんですけど、結果やって良かったかなと。

のっち:いつものPerfumeらしくない、本当に挑戦だったので、賛否両論あってもいいと思いましたね。

――「Perfumeの掟」のような、可愛いというよりはカッコイイ系のダンスは以前からやっていたんですか?

あ〜ちゃん:スクールでいつもああいうのをやっていたので、発表会みたいに「頑張ってやりました!」感はものすごく嫌だったんですよ。アクターズスクールの時には、ダンスも歌のレッスンもみっちりやりましたし、発表会ではダンスだけの所もあれば、ダンスと歌でガンガンやっているのもありましたね。

――初めて観て驚いた人も多かったのかもしれませんが、Perfumeにしてみれば、自分達の中にある要素の一つだったわけですね。

あ〜ちゃん:そうですね。ただ、発表会って、お客さんに見せるというよりは結構、自己満足の世界なんですよ。人と振りを揃えるとか、歌をもっと上手に歌うとか、そういうのは確かにやるんですけど、お客さんと一緒にとか、お客さんをすごく意識した作品って一つもなくて、一方的に見せるものばかりなんですよ。お客さんを必要としていないというか、見せ物という感じ。サーカスとか「見せる」という形ではいいと思うんですけど、それとは違うし、お客さんと一緒に楽しめないと意味が無いと思うので。今回の「Perfumeの掟」はすごく考えて、うちらの周りでは「すごく良かった!」と言ってくれる人が多いんですけど…「良くない」と言う人もいるのかなぁ?

のっち:それはいると思うよ。

かしゆか:多分、受け入れられない人も。万人が「好き!」と言えるものは少ないと思うから。

あ〜ちゃん:でも!別に、みんなに「イイ!」と言ってもらえると思ってやったわけではないし、一つの挑戦してやってみたという。でも、私はやって良かったと思っているので!

――Perfumeは、いい意味で期待を裏切ったり、予想不可能な存在であって欲しいと思いますね。

あ〜ちゃん:そうですね。毎回ビックリと言うか、面白いライブの方がいいと思いますね。