マンション大規模修繕に潜む闇…「工事費を吊り上げ、管理会社にマージンを支払う」ことが業界内で常態化していた

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バックマージンで儲ける管理会社

'25年3月上旬、マンション業界に激震が走る事件が起きた。マンションの大規模修繕を巡って談合を行った疑いで、公正取引委員会が、関東エリアの大規模修繕工事会社20社以上に立ち入り検査を実施したのだ。

悪質な管理会社、設計コンサルタント、工事会社がグルになり、マンションの住人からなる管理組合を誘導。特定の工事会社に高値で発注させ、管理会社と設計コンサルタントがバックマージンを受け取る―こうしたやり口が、大規模修繕で横行していると公取委は疑った。談合の規模はあまりにも大きく、同月末、さらに4月にも追加で複数の工事会社に立ち入り検査が行われた。

調査は現在も決着しておらず、工事会社だけでなく、設計コンサルタント、管理会社にも調査が行く可能性がある。実際に公取委からの調査を受けた工事会社の役員が、匿名を条件にこう語った。

バックマージンを支払うのが慣習に…

「大規模修繕の費用は、1戸あたり100万〜150万円が相場です。たとえば100戸あるような大きなマンションの場合だと、工事費が1億〜2億円近くにまでなり、利益も巨額になる。

談合では、管理会社、設計コンサルタントと組んで、通常の価格だと1億円でできる案件に対し、2億円の見積書を出して受注。差額の1億円をバックマージンとして管理会社と設計コンサルタントに支払うということが、常態化していました。

一般の感覚からすれば、管理組合から余計におカネを取ってバックマージンを支払うなど、詐欺じゃないかと思うでしょう。しかし、業界ではこれが当たり前の慣習になっているのです」

調査を進める公正取引委員会

昨年の立ち入り検査から1年以上が経つのに、なんの結果も公表されていないのは「大規模修繕を巡る談合があまりにも多く、複雑に入り組んでいるから」だと、マンションコンサルタントの須藤桂一氏は語る。

「公取委はいまも膨大な人員を動員して、調査を進めています。おそらく年内か、遅くとも来年中には行政処分が課されることになるでしょう。

談合そのものはもちろん悪ですが、そもそも管理会社や設計会社にとっては、このバックマージンが極めて重要な収益源となっていたのも事実です。管理会社のなかには、いかにバックマージンを取れたかが社員の評価に直結しているところもあります」

【後編を読む】マンション大規模修繕で管理会社主導の「超高額発注」が横行…「不当に高い工事費」を払わないために住民側がすべきこと

「週刊現代」2026年5月25日号より

【つづきを読む】マンション大規模修繕で管理会社主導の「超高額発注」が横行…「不当に高い工事費」を払わないために住民側がすべきこと