『日産エルグランド』が16年ぶり4代目へ進化! キーとなる3つのポイントとは? 極上の乗り心地と高い旋回性能をチェック
アルファード/ヴェルファイアと比べてかなり堂々としたサイズ
今夏、日産自動車(以下日産)のLLクラスミニバン『エルグランド』が、16年ぶりに4代目へフルモデルチェンジされる。
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昨年のジャパンモビリティショー2025で内外観は公開されたが、今回、メディアに向けてテストコースでの取材会が開催された。屋外で実車を見て、触って、短時間だが試乗もできたので、その印象をまじえながら、現段階で公表されている新型エルグランドの概要を紹介していこう。

今夏、LLクラスミニバン『日産エルグランド』が、16年ぶりに4代目へフルモデルチェンジ。 平井大介
そのサイズは、日産測定値として全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mm(ホイールベースは未発表)とされている。従来型より全長と全幅は少しずつ長くなり、全高はかなり高められた。
最大のライバルとなるトヨタ・アルファード/ヴェルファイアと比べると、全長はほぼ同じだが全幅と全高は少し長く、かなり堂々としたサイズだ。
LLクラスミニバンのデザインに新しい潮流
『ザ・プライベート MAGLEV(リニアモーターカー)』というデザインコンセプトを掲げる新型エルグランド。
日本の伝統工芸『組子』をモチーフとしたフロントグリルや逆スラントしたDピラー、ショルダーラインからテールランプに繋がるラインなど、ディテールは特徴的。LLクラスミニバンのデザインに新しい潮流を作るかもしれない。

伝統工芸『組子』をモチーフとしたフロントグリルなど、ディテールは特徴的。 平井大介
プライベートラウンジのような空間を目指したというインテリアは、従来型よりアイポイントが高くなったことで視界が広がり、サイズを気にせずに運転できそうだ。14.3インチの大型メーターディスプレイや木目調パネルにキルティングのトリムなど、いずれも質感は高い。
シート配列は、現在のところ2-2-3の3列7人乗りとされており、特に2列目キャプテンシートはヒーター&ベンチレーションはもちろん、可倒式アームレストや電動中折れ機構も備わり極めて快適。3列目もおとな2人なら十分なスペースがある。
新型エルグランド、3つのセリングポイント
走りの乗り心地の革新を目指した新型エルグランドには、3つのセリングポイントがある。それが第3世代のeパワー、進化した4WD=eフォース(4ORCE)、そしてインテリジェントダイナミックサスペンションだ。
まず、第3世代に進化したeパワーから。

欧州仕様キャシュカイに搭載されているものと同じ、第3世代eパワーを採用。 平井大介
パワースペックこそ公表されていないが、1.5L直列3気筒ターボの発電特化型ガソリンエンジンで発電しモーターを駆動する、シリーズハイブリッド。基本的には、欧州仕様のキャシュカイに搭載されているものと同じだ。
さらに、リアにも駆動用モーター(eアクスル)を搭載した4WDとなり、新型エルグランドのパワートレインは、このパッケージのみとなる。
最大トルクは500Nm以上とだけアナウンスされるが、実車は大トルクのモーターにより素早く、力強さが滑らかに続く加速。その力強さは従来型より20%も向上しているそうで、車両重量は公表されていないが(かなり重いらしい)、それを感じさせない軽い出足だった。
しかも、速いだけでなく圧倒的な静粛性も達成している。
これには部品を一体成形し剛性を高めて振動を抑えたeパワー・ユニットはもちろん、エンジン音とロードノイズを高精度に検知してリアルタイムで打ち消す新世代アクティブノイズコントロール、そして車室外からのあらゆる音を徹底して遮る高遮音ボディが奏功しているようだ。
いわゆるカックンブレーキにしない
そして、第3世代eパワーと組み合わせたインテリジェントダイナミックサスペンションが、走行シーンや路面に合わせて4輪の減衰力を最適制御し、加減速時の緻密なトルク配分とブレーキ制御で、極上の乗り心地を実現するという。
例えば、高速道路の継ぎ目などでは低減衰で滑らかに乗り越え、うねりの大きな路面では高減衰で大きな挙動を抑制する。この減衰力はドライブモードで切り換えも可能だ。

インテリジェントダイナミックサスペンションは、走行シーンや路面に合わせて4輪の減衰力を制御。 平井大介
また、進化したeフォースが前後モーターのトルク配分を制御することで、走行中の加減速でもフラットな姿勢を維持。さらにはスムースストップ機能が停止時のブレーキ力を緻密に制御し、いわゆるカックンブレーキにしない。
試しにテストコースで意図的に停止直前にグッとブレーキを踏んでみたが、ノーズダイブは少なく、文字どおりスムースに止まってくれた。
6つのドライブモードを設定
コーナリングでは、ステアリング操作に応じてeフォースが後輪の駆動力配分を上げて前輪のコーナリングフォースを高め、コーナリング中にアクセルを踏み込めば後輪の配分をさらに上げて車両を進みたい方向に向け、さらに踏み込めば内輪ブレーキをかけてモーター出力を上げ、ヨーモーメントを出すことで狙ったラインをトレースできる。
しかもコーナリング中はインテリジェントダイナミックサスペンションが外側の減衰力を高めて横方向の動きを抑えているから、ロールも少ない。このクルマの向きと姿勢を自在にコントロールした高い旋回性能を、背の高い大きなミニバンで達成したことは驚異的だ。

新型『日産エルグランド』は、デザインも走りも今までのミニバンと違う。 平井大介
さらに新型エルグランドでは、パーソナル/スポーツ/スタンダード/コンフォート/エコ/スノーと、シーンや好みに合わせた6つのドライブモードを設定している。パワートレインや回生ブレーキ、ステアリングやサスペンションまで調整できるから、状況に応じて乗り味を変えることができる。
デザインも走りも今までのミニバンとは違う新型『日産エルグランド』。少なくとも、その登場が国内外のライバルに大きな影響を与えることは間違いないだろう。
