日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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同じ轍を踏むホンダ

 巨額赤字を計上したホンダ(三部敏宏社長)の再建に早くも黄信号が灯っている。「再建の柱になりそうなものがない。日産自動車(イヴァン・エスピノーサ社長兼CEO)よりもお先真っ暗だ」と幹部は嘆く。


ホンダ社長の三部敏宏氏(2025年のジャパン・モビリティ・ショーにて) ©EPA=時事

 5月中旬の発表を予定している再建計画の中身を詰めているのは、コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンだという。「外部に委ねることこそが、再建の柱がない証拠だ」(同前)。そんな焼野原を想起させるような発言が飛び出すのは、今回の損失処理のやり方に原因がある。

 2021年に社長に就任した三部氏は「40年までにホンダの全ての四輪車を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にする」と“脱エンジン”を表明。30年までに10兆円を投じるとした。

 24年には、燃料タンクを手掛ける八千代工業をインドの車部品大手サンバルダナ・マザーサン・グループに売却。同社は同じくホンダ系列の排気部品大手、ユタカ技研も傘下に収めた。一連の売却は、三部社長がEVとFCVに全振りする方針を打ち出したことに伴うものだった。

 その後、EV市場が急減速。26年3月期に1兆3000億円、27年3月期に1兆2000億円の損失を計上する見通しだ。しかし「ケイレツ」を解体してしまったせいで、エンジン車での巻き返しは簡単ではない。そんな中での“敗戦処理”の手法は「今後、EVの復活はあり得ないといわんばかりのやり口だ」(別の幹部)。

 ホンダは22年、ソニー(十時裕樹社長CEO)とEV開発・販売の合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」を設立、高級EV「アフィーラ」を売り出す計画だった。販売に向けて車両の試作は始まっていたが、これを中止に。

※この続きでは、嘆きのコメントをホンダ幹部が寄せています。約5500文字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年6月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年6月号)