″東京ノース″が大注目! 「住みたい街ランキング」若い女性人気で北区&板橋区が急浮上 納得の魅力

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“東京ノース”の魅力とは?

東京23区の中古マンション価格の上昇が止まらない。国内最大級の不動産データバンク「東京カンテイ」(4月23日配信)によると4月の東京23区の中古マンション(70平米換算)の平均価格は、1億2425万円。前の年の同じ月に比べて、30.8%上昇した。

これは、バブル期を超える価格水準という。

サラリーマンがマンションを購入しようと思っても、東京23区内だと今や中古ですら手が届かない価格で、マイホームは夢のまた夢というのが現状だ。また、賃貸物件においても現在の相場は、シングル向けで10万円以上、カップル&ファミリー向けでは20万円以上が当たり前となっており、平均年収429万円(対象は2024年9月〜2025年8月に登録した約60万人の会社員データ『転職サイトdoda』より)だと、かなり厳しい状況になっている。

そんな中、23区内で今、若い独身女性や若年夫婦に、人気が急上昇している地域があるという。それが“東京ノース”だ。いわゆる東京都区部北側エリアを指し、その中でも、北区、板橋区の人気が急激に高まっているというのだ。

リクルートは、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳〜49歳の男女9000人を対象に「住みたい街」アンケートを実施。3月26日に「SUUMO住みたい街ランキング2026首都圏版」を発表した。その中でも、「得点ジャンプアップした自治体ランキング」でベスト10に”東京ノース”が4つもランクイン。そして、北区が1位。板橋区が4位を獲得した。住宅ジャーナリストの福岡由美氏に話を聞いた。

「北区はいわゆる”下町トレンド”の火付け役と言われ、そのパイオニア的な街が赤羽です。15年ほど前から、いわゆる”港区女子”とか言われている人たちとは違う女性たちが”せんべろ”(1000円でベロベロに酔えるような価格帯の居酒屋の俗称)あたりに注目。デートで昼間から飲める街ということで人気が高まっていきました。飲食店が賑わい始めると、並行して”住みたい街”に変わっていきます。一回、試しに飲みに行ってみると『意外と楽しいよね』からファンが増えて”住みたい街”としてイメージアップしていった。それを牽引したのが赤羽でした」

では、赤羽を中心とした北区の現在の魅力はどこにあるのだろう。

「昔ながらの商店街が多く、まだまだ物価が安い、というところだと思います。赤羽のすずらん通り、十条銀座、霜降銀座などなど、大型ショッピングモールやスーパーがなくても生活できるような商店街が各所に揃っていて、すっぴん・普段着のままでも気取らずに暮らせる。都心のようにママ友同士の変なマウントの取り合いも少ない。また、飛鳥山公園、赤羽緑地などレジャー・自然環境に恵まれている点も、ファミリーライフとの相性がいいと言えます」(前出・福岡氏)

だが、不動産相場の観点でいうと、赤羽も価格上昇の波に抗えないという。

コスパ、タイパ最高の街

「赤羽は、交通結節点としての利便性も含めてエリア評価が高く、現在駅周辺で複数のタワマン開発が行われていることもあって、すでに不動産相場も高騰しています。ただ、その他のエリアはまだまだ割安な印象。都心6区と比べると家賃相場は2〜3割、中古マンション市場は半額に抑えられています。

例えば、JR王子駅周辺のエリア。特にビッグターミナルの一駅隣が狙い目です。東京さくらトラム(旧都電荒川線)の飛鳥山駅周辺や滝野川一丁目駅、東京メトロ南北線の西ケ原駅周辺は、ちょっとした邸宅街です。武蔵野台地の一番東端に位置し見晴らしもいい。その辺りの高台は穴場で、狙い目だと思います」(前出・福岡氏)

では、4位に輝いた板橋区はどうだろう。

板橋区といえば、東武東上線「大山駅」前から南に並行して走る国道254号線(川越街道)まで延びる560mのアーケードを有する「ハッピーロード大山商店街」があまりに有名だ。『巷のウワサ大検証! それって実際どうなの会』(TBS系)にたびたび登場し、今や同商店街の代名詞となっている昭和31年創業の『伊勢屋餅菓子店』の3代目店主の菊入哲夫さんは、

「昔から治安はいいと思いますよ。最近は地方からわざわざ観光に来る人がいるほど大山商店街が有名になっちゃって、外国からの人もすごく見かけるようになりましたね。私はここしか知らないけど、いい街だと思います」

と笑顔で語ってくれた。福岡氏は板橋区の魅力について次のように語る。

「ひと言で言うと”コスパ、タイパ、最高の街”です。不動産相場は、北区よりもさらに割安感があります。都心と比べて家賃は5〜10万円ぐらい節約できるし、分譲価格は都心の3分の1というケースも。大山駅商店街エリアに関していえば、現在、巨大な再開発が進んでいるので、完了前が狙い目だと思います」(前出・福岡氏)

板橋区の場合、大山商店街があまりに有名だが、その他の地域でも注目すべきエリアが多く点在するという。

「個人的には大手町直結の都営三田線沿線がおすすめかと思います。特に板橋区役所前駅から板橋本町周辺は旧中山道沿いに『仲宿商店街』という賑やかな商店街が続いていて、宿場町の面影を感じます。板橋の地名の由来になったといわれている石神井川にかかる『板橋』という橋や、築100年を超える古民家を改造した古民家カフェなどもあります。

意外に知られていませんが、この近隣は加賀藩前田家の下屋敷が広がっていた場所で、各所に『加賀』や『金沢』という地名が残っている。加賀周辺はいわゆる閑静な邸宅街で、小学校のレベルも高いと言われる文教エリアです。実際に訪れてみると”下町”というイメージとのギャップにびっくりするはずです」(前出・福岡氏)

さらに、板橋区には”コンパクトタウン”という魅力も。

赤羽駅、東武練馬駅、吉祥寺駅は新宿駅から同心円

「バランスが良いのが東武東上線の東武練馬駅です。駅名は練馬ですが、実は板橋区で、駅前に大きな『イオン板橋ショッピングセンター』があり『イオンシネマ』も揃っている。板橋区を代表するコンパクトタウンなのです。

板橋区は、都営三田線や副都心線有楽町線、東武東上線沿線で街の雰囲気がガラリと変わります。東武東上線は下町、三田線は落ち着いた住宅地、副都心線沿線は都心直結のアクセス力の高さ。どの路線が自分にマッチするかで沿線を絞り込むのがおすすめです」(前出・福岡氏)

今、改めて注目される”東京ノース”エリア。その魅力について福岡氏は改めて次のように語る。

「若者世代は、実は街のブランド力はどうでもいいと思っていて、すごく冷静な目で選んでいる。若者が集まり始める街は将来、人気が出る可能性が高いと思って間違いないでしょう。

ちなみに、赤羽駅から新宿駅間、東武練馬駅から新宿駅間はどちらも約11キロで、同心円で考えると、JR吉祥寺駅から新宿駅までの距離とあまり変わりません。ちなみに吉祥寺エリアでのファミリータイプマンションの新築価格相場は1億5000万円前後です。そう考えても、タイパ、コスパがどれだけ良いかわかると思います」(前出・福岡氏)

北区、板橋区以外でも、23区内にはまだ穴場と言われるような狙い目の場所が潜んでいるに違いない。