U-17日本代表の睫擇中国戦に向けて闘志を燃やした。写真:松尾祐希

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 U-17アジアカップに臨んでいるU-17日本代表は5月6日、開催地のサウジアラビア・ジェッダでトレーニングを行なった。5日の初戦はカタールに3−1で逆転勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。

 今大会は今秋のU-17ワールドカップの最終予選を兼ねており、グループステージの上位2か国に出場権が与えられる(出場枠は合計で8か国。カタールが2位以内に入った場合は各組3位の最上位にも出場権が与えられる)。レギュレーションも含め、2位死守はマストだ。

 そうした状況下で9日の中国戦が2位以内確保において重要な一戦となる。6日のトレーニングは前日の試合にスタメン出場した選手と後半開始からピッチに立った2人を除く10名での活動となったが、選手たちは次戦に向けて精力的に身体を動かした。

 その中で特に目立っていた選手がFW郄木瑛人(鹿島ユース)だ。3−4−2−1の最前線を本職とするストライカーはカタール戦でベンチスタートとなり、67分からの出場となった。

「素直にスタメンじゃなかったのは悔しい」

 6日の練習後に胸中を明かしたように、チームを立ち上げから牽引してきただけに初戦の先発落ちは心に響くものがあった。だからこそ、欲しかったのはゴール。展開を考慮してチームのために戦い、自身の欲を抑えながら献身的に振る舞ったとはいえ、無得点に終わった事実は悔しさをより高めた。
 
 そうしたチーム事情を考慮したプレーを見せた一方で、スタメンで出場した同じポジションのFW齋藤翔(横浜FCユース)が同点ゴールを決めた点も悔しさを倍増させた理由のひとつ。次戦の中国戦で雪辱を晴らすべく、「(先発落ちは)自分の実力不足なので、今大会はまだまだ試合があるので出場させてもらったら結果を残すだけ」とモチベーションを高めている。

 中学3年生の頃から鹿島のユースチームでプレーするなど、早くから将来を嘱望されてきた郄木。小野信義監督が率いるU-17日本代表でも発足当初から主軸を担ってきた。しかし、昨秋に右膝内側靭帯を損傷。代表活動に戻ってきたのは今年3月のアルゼンチン遠征で、そこからコンディションを戻して今大会のメンバーに入った。

 大会直前に行なわれた千葉合宿のトレーニングマッチでは「思ったように身体が動かなかった」と郄木は振り返ったものの、見事に1ゴールを決めて存在をアピール。リハビリ中にトップチームのFW鈴木優磨を参考にしながらフィジカルトレーニングに励んだ成果も出ており、当たり負けしないプレーでも違いを見せた。

「ギラギラしている」と小野監督が明かしたように、ゴールに飢えている男は持ち前の得点感覚を発揮してチームを勝利に導けるか。「湊海がいるおかげで今の自分がいる」と言い切ったように、ユースの先輩で昨秋のU-17ワールドカップに出場したFW吉田湊海の背中を見て成長してきたストライカーは、「ゴールを取らないと、評価がつかない。あとはゴール。ゴールだけを目指して頑張っていきたい」と語る。

 先輩が立った舞台に自身も立つべく、まずは中国戦に全力を尽くす。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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