周辺地図(画像: サンケイビルの発表資料より)

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 高度経済成長期以降、大阪ミナミの歓楽街でシンボル的存在だった味園ビル(大阪市中央区千日前)が解体され、跡地にホテルと店舗が入る商業施設が建設されることになった。三菱商事都市開発、サンケイビル、丸紅都市開発の3社が明らかにしたもので、着工は2028年春以降、開業は2031年春以降になる見込み。

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 新しい商業施設の規模や概要は明らかにされていないが、現地は近鉄、大阪メトロの日本橋駅から歩いて2分、近隣に黒門市場やなんばグランド花月劇場、なんばパークス、日本橋でんでんタウンなどがあるミナミの中心部。訪日外国人観光客であふれる一角でもあるだけに、観光拠点としての魅力向上と新しい価値の提示ができる施設とする方針。

 味園ビルは鉄骨地下1階、地上5階建てで、戦後復興から高度経済成長へ移行しようとしていた1955年に完成。キャバレーやダンスホール、スナック、宴会場、飲食店、ホテル、マッサージ店などが入居していた。デビュー前の和田アキ子さんやデビュー直後のピンクレディーが出演していたことでも知られる。

 施設自体も異形だった。エントランスは錦鯉が泳ぐ池を取り囲むようにらせん状のスロープが設けられ、その先の2階には個性的な飲食店が並ぶ。外観はモダンな高級感が漂い、派手なネオンサインが光り輝く。そんな魅惑的な大人の雰囲気に引き寄せられるように大勢の男性客が集まっていた。

 昭和の時代は歓楽街のシンボル的存在だったが、バブルがはじけて客足が落ち込んだ。このため、2000年代に若い経営者のバーや飲食店を集め、関西のサブカルチャーやアンダーグラウンド文化を代表する拠点に生まれ変わった。しかし施設の老朽化で、2025年7月に全店舗の営業が終了、閉鎖された。