まるで「アメリカをテクノ軍事国家に」宣言…大炎上のAI企業パランティアは日本とも無関係ではない【トランプ2.0 現地リポート】
【トランプ2.0 現地リポート】
トランプ暗殺未遂“やらせ説”再燃 MAGA内部からの陰謀論噴出が示す支持者の揺らぎ
アメリカの有力AI企業のひとつ、パランティアがXに投稿したマニフェストが、「テクノ・ファシズム」「人類への脅威」とまで批判され、大炎上を招いている。
パランティアのシステムは、米軍や、強硬な移民対策で知られる移民・税関捜査局(ICE)、NY市警などで活用されてきた。軍事、治安、監視の現場を支える企業として知られ、「国家の頭脳に近い存在」と評されることもある。一方で、監視国家の象徴として警戒もされてきた。
今回公開したのは、単なる企業理念ではない。国家観、文化観、軍事観まで含んだ22項目のマニフェストだ。
そこには、
「シリコンバレーのエリートには国家防衛への義務がある」
「AI兵器は敵より先に開発するべきだ」
「AIによる新たな抑止力の時代が来る」
「徴兵制も再検討すべきだ」
といった主張が並ぶ。要するに、アメリカはより高度なテクノ軍事国家になるべきだ、という宣言に近い。これに多くの市民が衝撃を受けた。
これまで中立的に振る舞ってきた巨大テック企業が、イデオロギーをむき出しにし、国家の未来像まで語り始めた。そこに異様さがある。
アメリカではすでに、「AIが仕事を奪う」という不安は現実のものだ。今や「誰がAIを持ち、誰のために使うのか」という政治的な懸念へと移っている。その中で今回のマニフェストは、シリコンバレーと国家権力の融合を、露骨に可視化してしまった。
さらに警戒感を高めているのが、共同創業者ピーター・ティール会長の存在だ。巨額の資本力に加え、政治献金や人脈を通じて政界にも影響力を持つ。過去には民主主義への懐疑とも受け取れる発言でも物議を醸した。
そして、この話は日本とも無関係ではない。マニフェストには、「戦後のドイツと日本の無力化は見直されるべきだ」との記述もある。日本の戦後平和主義を軽視するようにも読め、多くが眉をひそめた。
しかもティール氏は最近来日し、高市首相を表敬訪問している。政府側は具体的な製品導入の話は出ていないとしているが、同社が日本政府との関係強化を模索しているとの見方もある。
AI時代の脅威は、ロボットの反乱ではない。企業が国家をしのぐ権力を持つことかもしれない。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
