大学生の息子が始めたバイト先は「給料手渡し」だそうです。なぜ振り込みにしないのでしょうか?

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日雇いバイトや短期雇用のバイト、小規模な企業などで働いている場合に、給料が手渡しになるケースがあります。手渡しにしている企業自体はあまり多くないため、「なぜ振り込みにしないのか」と疑問に思う人もいるでしょう。   今回は、給料は手渡しでも問題ないのか、また手渡しにするメリットや受け取る際の注意点などについてご紹介します。

給料は手渡しでも問題ない?

労働基準法第24条によると「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定められています。
さらに、厚生労働省の賃金の支払いに対する回答では「しかし、給料の銀行振込については、個々の労働者の同意を得て、労働者が指定する本人名義の預金又は貯金の口座へ振り込まれること、振り込まれた給料の全額が所定の給料支払い日に引き出し得ることを満たせばできることとされています」と示しています。
そのため、法律で定められている支払い方法では、給料は手渡しが原則となっているようです。一方銀行振り込みは、労働者から同意を得たうえで行う給料の支払い方法となっております。
法律で直接労働者に全額を支払わなければならないと定められているため、直接渡せる手渡しは、労働者から同意を得なくても採用できる支払い方法だといえます。
実際、厚生労働省が調査を委託しているMMDLabo株式会社の「令和7年度 賃金のデジタル払いに関するニーズ調査 調査報告書」によると、労働者給料を現金手渡しで実施している企業は、全体の16.5%でした。
特に従業員数が少ない企業ほど、口座振り込みより現金手渡しを選んでいる傾向があるようです。

手渡しにするメリット

給料を手渡しにするメリットとして、銀行口座へ振り込む手間がかからない点が挙げられます。
個人経営や小規模な企業であれば、従業員それぞれの口座に給料を振り込むよりも、現金を用意して手渡しした方が手間がかからないでしょう。また、直接手渡すことで、振り込み手数料などを節約できる点もメリットです。
従業員側のメリットとしては、受け取ってすぐに給料を使える点が挙げられます。さらに、手渡しだと働いた実感が得やすい点も魅力でしょう。

給料を手渡しで受け取る場合の注意点

まず、現金を直接受け取っているため、帰宅途中に紛失しないようにしましょう。長時間多額の現金を持ち歩くのは盗難のリスクも高まります。可能であれば、休憩時間やスキマ時間に自分の銀行口座へ入金するなど、盗難に遭わないよう対策が必要です。
また、手渡しであっても税金のルールなどは変わりません。例えば、副業として働いているところで給料を手渡しで受け取っている場合、金額によっては確定申告が必要となります。
口座に入金されていないからといって、手渡し分を確定申告しないままでいると、収入の一部を隠しているとして税務署から指摘を受ける可能性があります。
確定申告の際に困らないためにも、手渡しで受け取った給料はメモなどで詳細を残しておきましょう。なお、副業でなかったとしても、源泉徴収されていなければ、基本的に確定申告が必要です。

手渡しは振り込み手数料を節約できるなどの企業側のメリットがある

労働基準法第24条では、給料は直接労働者に支払うものと定められているため、手渡しにすること自体は法的に問題ないようです。16.5%の企業は給料を手渡しにしているという調査結果もあります。
給料を手渡しにすると、企業側のメリットとしては口座の振り込み手数料がかからないことが挙げられます。企業によっては、従業員ごとに口座振り込みをするよりも手渡しをした方が手間がかからないという利点があります。
従業員のメリットとしては、受け取ってすぐに使えることや、働いた実感が得やすいことなどがあります。
ただし、現金を持ち歩くことになるため、紛失や盗難には注意しましょう。また、必要に応じて確定申告も忘れずに行いましょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第三章 賃金 第二十四条(賃金の支払)
厚生労働省 労働基準法に関するQ&A 我が社では従来、希望者にのみ給料を銀行振込にしていたのですが、事務経費削減のため、全社員を対象にしたいと思います。この場合、注意する点はありますか。
厚生労働省 MMDLabo株式会社 令和7年度 賃金のデジタル払いに関するニーズ調査 調査報告書 第3部 企業調査 調査結果 1. 給与等の支払い方法(Q6)(37ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー