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 米国株式市場では先週、ハイテク株中心のナスダック総合指数が13営業日連続で上昇し、1992年以来最長となる連騰記録を達成した。

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 だが週明け20日、米国とイランの停戦協議が再び暗礁に乗り上げたことで上昇の勢いは止まり、連騰は14日目を前に幕を閉じた。

 上昇の出発点は4月1日だ。米イラン停戦への期待が高まる中、市場ではいわゆる「買い遅れへの恐怖」が働き、機関投資家を中心に資金流入が加速した。

 その後も停戦合意のニュースが追い風となり、指数は約14%上昇。17日には終値で史上最高値を更新し、同時期に最高値を更新したS&P500とともに市場全体の気勢を高めた。インフレ警戒から米連邦準備理事会が利下げを急がないとみられる環境でも、AI関連銘柄への期待が相場を下支えした形だ。

■停戦期待が急転、原油が重しに

 しかし週末にかけて急展開を迎える。イランが新たな協議への参加を拒否し、米軍がホルムズ海峡でイラン船籍の貨物船を拿捕したことが伝わると、市場心理は急速に悪化した。

 原油先物は一時7%近く跳ね上がり、エネルギー価格の再上昇がインフレ長期化につながるとの懸念が広がった。20日のナスダックは0.26%安で終了し、連騰は止まった。

 一部の専門家は、市場がイラン情勢のリスクを過小評価している可能性を指摘している。停戦交渉が始まったこと自体は経済的インセンティブの裏返しだとしながらも、ホルムズ海峡を通じた物流の回復を実際に確認するまでは楽観は禁物だと警告している。一方、原油高は国内物価上昇圧力を通じて日本の輸入コストにも波及しうる。

 米イラン停戦の期限は日本時間23日朝に迫る。市場はなお「解決を先取りする」姿勢を崩していないが、楽観の綱渡りがいつ終わるかは見通せない状況だ。