気持ち新たに安心・安全のシンボル「尼崎西交番」に勤務する警察官ら〈2026年4月14日 10時41分撮影 兵庫県尼崎市〉

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 兵庫県の人口密集地・尼崎市。

 東西を貫く交通の要衝・国道2号線と、南北に抜ける幹線道路・道意線(どういせん)が交わる旧・尼崎西警察署跡地に2026年春、尼崎西交番(尼崎市浜田町4丁目)が開所し、4月14日にセレモニーが開かれた。

気持ち新たに安心・安全のシンボル「尼崎西交番」に勤務する警察官ら〈2026年4月14日 10時41分撮影 兵庫県尼崎市〉

 この地にはかつて、地域住民の安心・安全を守る拠点として、1948(昭和23)年7月から尼崎市内の警察署再編があった2006(平成18)年3月までの約58年間、尼崎西警察署があった。

 建物としては2022年まで尼崎南警察署・西分庁舎として機能していた。

2022年に取り壊された旧・尼崎西警察署(のちに尼崎南警察署・西分庁舎)〈2022年7月1日撮影〉
現在、この場所は尼崎西交番と、尼崎市消防局西消防署の移転・新築予定地として整備されている〈2026年4月14日撮影〉

 こうした中、尼崎南警察署が2026年4月から管内の3つの交番を閉所(1か所は詰所として活用)した。

“交番の一極集中”を図り、可能な限り交番内で勤務する警察官の不在時間をなくして、大きな事案が発生した際にも複数の警察官が対応できるよう、機能性の向上を目指す。

「地元の安心・安全のシンボルとして」多くの来賓、関係者に見守られスタート

 この警察署前には、1974(昭和49)年に設置された「交通安全祈念塔」という宇宙船のような、赤い大きなカプセル型の球体があり、近隣住民から親しまれた。

交通安全祈念塔 尼崎西交通安全協会・発足20周年を記念して建てられた〈2022年7月1日撮影〉
取り壊し前の最後のイベントとして、地元の子どもたちを招待。祈念塔の中でマイクを持ち、ドライバーに交通マナー向上を呼び掛けた〈2022年7月1日撮影〉

 地元の交通安全協会発足20周年を記念して建てられたもので。祈念塔は直径2.7メートル、高さ12メートルあった。

 2022年の庁舎取り壊しとともに姿を消したが、インパクトのある球体は住民の記憶に新しい。

 ある住民は、「あの赤い祈念塔が見えると、ドライバーはそれを見て自然にブレーキを踏む、そんな効果があったのかも知れない」と話す。

祈念塔は現物の40分の1のジオラマに 尼崎市立歴史博物館で展示されている〈2026年4月9日撮影〉※画像の一部を加工しています
交通量が多い幹線道路が交差する地点にあった“赤い球体”ドライバーは視野に入ると自然にブレーキをかけて速度を落としたという

 祈念塔の後部に交通安全標語を掲示し、ドライバーや歩行者に安全意識の高揚と交通事故防止を訴え続けた。

 今は40分の1のジオラマとして、尼崎市立歴史博物館(同市南城内)に展示され、当時の面影を忠実に再現している。

配置された警察官は8人 複数での事案対応ができ、不在時間を大幅に減らすべく業務に励む
正木博文・尼崎南署長「交番の一極集中で、機能性向上と親しまれる安心・安全の要衝に」

 尼崎南警察署・正木博文署長はラジオ関西の取材に対し、長年捜査一課で殺人事件の捜査や人身安全対策に携わった経験を踏まえ、「住民の皆さんにとって思い出深いこの場所で、安心・安全の要、交番という新たな命を吹き込むことができた。昨今、都市部では『1人交番』が多くなり、さまざまな事案に対応するのに限界があった。何よりも警察官の不在時間を減らし、親しんでいただけるような交番として寄り添うことができれば」と期待を寄せた。