夜勤明け、コンビニの駐車場で「エンジンをかけたまま2時間」仮眠…店員さんに「無断駐車で罰金3万円」と言われたのですが、コーヒーなど買い物したのにダメなんですか? 問題とリスクとは

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車で通勤する人にとって、夜勤明けの疲労回復は安全運転と切り離せない問題でしょう。ただ、コンビニの駐車場でエンジンをかけたまま数時間にわたって仮眠をとる行為は、店舗とのトラブルに発展するリスクをはらんでいます。   本記事では、商品を購入した場合であっても、無断で長時間駐車する行為にはどのような法的問題と経済的リスクがあるのかについて解説します。

買い物をしても「長時間の駐車」が正当化されない理由

コンビニの駐車場は、あくまで「店舗で買い物をする客が、買い物に要する時間だけ利用する」ことを前提とした私有地です。
「缶コーヒー1本買ったのだから、2時間仮眠をとるのも客の権利だ」と考えるドライバーも少なくないようですが、法的な観点では、購入金額の多寡にかかわらず、店舗側の想定を超える長時間の滞在は「目的外利用」とみなされます。
コンビニでの滞在時間は、5分以内が8割との調査もあり、それを大幅に超える2時間の駐車は、ほかのお客が駐車できる機会を奪うことに直結します。
駐車場が満車になれば、店舗側は本来得られたはずの売上(機会損失)を被ることにもなります。少額の購入を理由に長時間駐車を正当化することは、法的にも、社会的なルールとしても認められにくい行為といえるでしょう。

施設管理権と「罰金3万円」の法的性質

無断駐車に対して「罰金3万円」といった掲示をしている店舗は珍しくありませんが、この「罰金」という言葉には注意が必要です。
法的な意味での罰金は国が科す刑事罰であり、民間の事業者が独自に徴収することはできません。店舗側が要求する金額は、正確には民事上の「損害賠償請求」にあたります。
では、店員から「罰金3万円」を請求された場合、支払う義務はあるのでしょうか。民法に基づく不法行為の損害賠償として考えた場合、請求できる金額は「実際に生じた損害額」が原則です。
近隣のコインパーキングの相場が1時間300円程度であれば、2時間分の損害額は600円前後と算定される可能性があり、3万円という金額が法的に全額認められるケースは多くないといえます。
ただし、度重なる無断駐車によって店舗側が実証可能な営業損害を被っている場合には、より高額の賠償が認められる余地もあります。いずれにせよ、民事トラブルの当事者となるリスクを負うことに変わりはありません。

エンジンをかけたままの仮眠がもたらす経済的・環境的な問題

駐車中にエアコンを使うため、エンジンをかけたまま(アイドリング状態)にしておくことにも、複数の問題があります。
まず経済的な面では、環境省のデータによると普通乗用車がアイドリングを行った場合、エアコンを使ってなくても10分間あたり約130ccのガソリンを消費するとされています(エアコン使用時はさらに増加します)。
ガソリン価格を1リットル170円と仮定すると、エアコンを使用しての2時間の仮眠で少なくとも270~340円程度が消費される計算です。また、ほぼすべての都道府県でアイドリングストップを義務づける条例が整備されており、正当な理由のない駐停車中のアイドリングはその対象となります。
夜間や早朝の騒音・排気ガスは、近隣住民からの苦情や警察への通報につながることもあり、店舗側に迷惑をかけるだけでなく、自治体から指導を受ける場合もあります。

法的トラブルを避けるための休憩場所の選び方

コンビニの駐車場での長時間休憩には、さまざまなリスクが伴います。商品を購入していても2時間にわたる駐車は、施設管理権の侵害にあたり得るほか、店舗側から損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。
アイドリングによる燃料費、近隣への環境負荷という面でも、ドライバーにとって望ましいとはいえません。居眠り運転を防ぐために仮眠をとること自体は、安全のために重要な判断です。
数時間の仮眠が必要な場合は、長時間利用を想定して設計されている道の駅や高速道路のSA・PAを利用するか、時間貸しのコインパーキングを活用するのが現実的な選択肢です。利用する施設のルールを守ることが、自身と周囲の双方にとって安心につながります。
 

出典

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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー