全装備で約4620万円? ルノー 5 ターボ3E 500馬力超えで1980台限定は完売近し 吐き気覚える強い刺激
プラットフォームはEV版アルピーヌA110と同じ
史上最も高額なルノーが、いよいよリリースされる。5 ターボ3Eのお値段は、英国では素の状態で14万ポンド(約2940万円)。オプションをフル装備すれば、22万ポンド(約4620万円)まで上昇するらしい。
【画像】500馬力超えで1980台限定 ルノー 5 ターボ3E 素の5とA290 初代と2代目 5ターボも 全107枚
そもそも、通常のルノー5 E-テックとは別物で、共通する部品はドアミラーとドアハンドル、テールライトだけらしい。プラットフォームは、新開発されたアルピーヌ・パフォーマンス。これは、バッテリーEV版の次期アルピーヌA110の基礎骨格もなす。

ルノー 5 ターボ3E(プロトタイプ)
筆者は今回、グッドウッド・サーキットでプロトタイプへの同乗が許された。ステアリングホイールを握るのは、ルノーの熟練テストドライバー、デビッド・プラシュル氏だ。
過激な電気自動車の助手席に座ると、静寂性とは相反する激しい加速力で、気分が悪くなる事がある。過激なエンジン車では、折り重なる強い刺激で酔うことがある。果たして5 ターボ3Eの体験は、その両者を掛け合わせたようなものだった。
コミカルなほどアグレッシブな見た目
5 ターボ3Eの生産数は、1980台のみ。初代、ルノー5 ターボの発売年にちなんだ数字だという。高額にも関わらず、既に完売は近いらしい。
見た目は徹底的にアグレッシブで、コミカルなほど。自然と、周囲の人が吸い寄せられてくる。助手席へ身を収め、6点式ハーネスを締めると、車高の低さを実感する。ロールケージが張り巡らされ、包まれ感は半端ない。オリジナルの5 ターボとは、別世界だ。

ルノー 5 ターボ3E(プロトタイプ)
インテリアは派手。シートはレトロフューチャーな専用アイテムで、特別感を醸し出す。タータンチェックが、高級感を漂わせる。プロのレースゲーマーが仕上げた、コクピット・リグ環境の雰囲気にも通じるかも。
非常用のキルスイッチや、何用なのか不明なコントロールボックスなど、プロトタイプ特有の装備が露出している。タッチモニターは、5 E-テックのまま。ハンドブレーキは油圧で、突き出たレバーはイエロー。一輪の花のように見えた。
EVとしては軽い車重で圧巻の旋回性能
発進は極めて静か。低速域では、車高の低いレーシングカーさながらに、ロードノイズが大きい。ピットレーンの出口でプラシュルが右足を蹴飛ばすと、ホイールスピンしながら豪快に突進が始まる。
バッテリーは充電量が乏しく、パワーは抑え気味とのことだが、勢いは500馬力超え。0-100km/h加速が約3.5秒という数字にも、納得できる。

ルノー 5 ターボ3E(プロトタイプ)
マッジウィック・コーナーへ飛び込めば、慣性が極めて小さく、圧巻の旋回性能を宿すことを実感。カーボン・コンポジット構造で、車重は1450kgほどと、通常の5 E-テックと殆ど変わらない。ロータス・エリーゼより遥かに重いが、EVとしては確実に軽い。
吐き気を覚えるほど素早い身のこなし
続く高速コーナーでは、高い速度域での安定性へ唸る。左へ旋回するセントメアリーズ・コーナーの入口では、ブレーキの力強さへ息を呑む。彼が履くレーシングシューズ越しに、かなりの踏力がペダルへ伝えられていることも間違いないが。
右へ180度旋回する、ラヴァント・コーナーでプラシュルがハンドブレーキ・レバーを引く。リアタイヤがロックし、ドリフト。ワイルドなスライドに、笑いを堪えきれない。量産仕様にはドリフトモードが備わるというが、恐らく良く機能するのだろう。

ルノー 5 ターボ3E(プロトタイプ)
急激な加速を経て、ピットレーン手前のシケインでは、素早い身のこなしに圧倒される。あまりの敏捷さに笑いが止まり、軽く吐き気を覚えたほど。
明らかに5 ターボ3Eは、単に高速な電動ホットハッチではない。本物のレーシングカーだけが誘発できるであろう、気持ちの悪さだったから。
