伊東純也の決勝弾で1−0の勝利を収めた日本。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月28日、私はスコットランドのグラスゴーで開催された国際親善試合のスコットランド代表対日本代表の試合を取材した。

 日本は、アメリカ、カナダ、メキシコの開催国3か国を除いて、最初に北中米ワールドカップの本大会出場を決めたチームであり、いまやW杯の常連だ。一方のスコットランドの道のりはそれほど順調ではなく、欧州予選デンマーク戦での劇的勝利を経て、1998年以来となるW杯出場を確定させたばかり。両者の立ち位置は対照的だった。

 6月に開幕する本大会までにテストマッチは残り3試合しかないなか、スコットランドにとって今回の日本戦は重要なゲームだ。そんななか、ピッチ上で見えたのは、過去のイメージとはまったく異なる光景だった。

 序盤からボールを握ったのは日本。テンポの良いパスワークで主導権を握り、スコットランドに自分たちのリズムを押しつける。決定機こそ限られたものの、試合をコントロールしているのがどちらかは明白だった。
 
 かつての立場は逆だった。私が子供の頃、もしスコットランドが日本と対戦するとなれば、スコットランドが勝つことに疑いはなかっただろう。しかし、今はそうではない。私はスコットランド側をアンダードッグと見なしている。

 そして迎えた83分、日本が均衡を破る、流れるような連係から抜け出すと、最後は伊東純也が冷静にネットを揺らし、試合を決定づけた。

 1−0でスコットランドを下した日本は決して圧倒したわけではないが、それでも勝ち切る。この“したたかさ”こそ、今の日本が身につけている最大の武器だろう。

 試合後に残ったひとつの明確な事実は、日本はもはや欧州勢に挑む側ではない。互角かそれ以上の存在へと進化しているということ。次なる相手はイングランド代表。日本の真価が問われる。

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー(Steve Mackenzie)/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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