厚さ1000メートルの氷が世界を飲み込んだ!? 地球が完全に凍結「スノーボールアース仮説」とは【眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話】

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地球全体が氷に覆われていたってホント?

二酸化炭素が全球凍結のカギを握っていた

 いまから22億2000万年前、そして7億年前と6億5000万年前、地球全体が厚さ1000メートルの氷に覆われるという、厳しい氷河期があったという説が有力になっています。これが、「スノーボールアース仮説」です。

 地球凍結のきっかけとして挙げられるのが、大気中の二酸化炭素の減少です。超大陸が分裂すると新しい海が生まれ、海は陸地を浸食してますます海洋部分を増やします。その海の水分が雨を生み、二酸化炭素を吸収します。

 二酸化炭素が溶けた酸性の雨によって岩石中のカルシウムなどが溶け出し、やがて炭酸カルシウムとなって海に堆積します。

 こうして、大気中の二酸化炭素が減少していったのですが、地球を温める温室効果ガスでもある二酸化炭素が急速に減少したことで、急激な寒冷化をもたらしたと考えられているのです。氷床が極エリアから広がりはじめると、氷の白い色は海の暗い色に比べて、より多くの太陽エネルギーを反射してしまいます。

 こうして気温が下がり、地球全体が凍りついてしまう「暴走冷却」につながったというわけです。

 では、凍結した地球はどのようにしてふたたび温まったのでしょうか?

 表面が完全に凍りついた地球でも、内部には決して冷えない液状金属の核(コア)があります。この地熱が海をじわじわと温め、氷の成長を押しとどめました。

 また、火山が氷のなかから頭を突き出して活動を続けて微生物の命を守り、ふたたび地球を温めるための二酸化炭素を吐き出し続けたと考えられているのです。

◉ スノーボールアース仮説とは ◉

【1】二酸化炭素の減少で温室効果が小さくなった

大気は二酸化炭素やメタン、雲が地表の熱を外に逃がさないようにする温室効果のはたらきをしている。しかし何らかの理由で二酸化炭素が減ってしまい、温室効果の働きが弱まってしまった。

【2】北極南極からだんだんと凍っていった

地球は北極南極から徐々に凍りつき、いちばん暖かい赤道まで氷に覆われ、陸で3000メートル、海で深さ1000メートルまで凍ったと考えられている。ひとたび全体が凍ると、地球はどんどん冷えていった。

生物は深海や海底火山の近くで生きていた

地熱で凍らなかった深海や活動を続けていた海底火山でバクテリアなどの微生物は生きていた。

【3】海底火山が二酸化炭素を吐き出し氷を溶かした

スノーボールアースになっても海底火山は二酸化炭素を吐き出し続け、また地表の氷は二酸化炭素を吸収できないため、大気中に二酸化炭素が増え、少しずつ温室効果が復活した。こうして徐々に地表の氷が溶けていった。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』 著:渡部潤一