被害者が「悪質金銭トラブル」を怒りの告発「三井住友銀行グループの社長に唆され5億円を失いました」
金融業界への信頼が揺らいでいる!銀行名と銀行印が入った偽造受取書や名刺を巧みに利用して詐取された
「15年も、平然とだまし続けたあの男を許すことはできません。5億円ものカネを返すことなく、今ものうのうと暮らしていると思うと怒りがこみ上げてきます」
そう打ち明けるのは、都内などで複数の飲食店を経営する男性・Aさんだ。
昨今、金融業界の不祥事が相次いでいる。1月16日にはプルデンシャル生命保険の社員ら100人以上が顧客からおよそ31億円を詐取したとして、社長の辞任が発表されたばかり。だが今回Aさんが明かす″実行役″は、一介の営業社員ではなく、メガバンクのグループ会社の社長を務めた元エリート行員だという――。
東京・銀座の老舗喫茶店にスーツ姿の大柄な男が柔和な笑みを浮かべながらやって来たのは’10年秋のことだ。男は名刺を差し出すと、Aさんに深々と頭を下げた。肩書部分にはこう記されている。
〈SMBCローンビジネスサービス株式会社 代表取締役専務〉
Aさんは友人に「三井住友の幹部を紹介する」と言われ、待ち合わせにこの店を指定されていた。その大男・X氏は会うなり、声を潜めてこう持ち掛けた。
「実は、うちの役員クラスや特別な顧客にしか案内できない運用枠があります」
SMBCローンビジネスサービス(現・SMBCオペレーションサービス株式会社)は三井住友銀行の融資事務やローン管理業務を一手に担う100%子会社だ。X氏は、こう畳み掛けた。
「以前は三井住友銀行の副頭取をしていましてね。今は出向して、この会社の取締役を任されています」
Aさんに持ち掛けた″特別な運用″とは、「ユーロ建ての外貨運用や海外企業の株式運用などを複合した金融商品」などで、出資法で禁止されている元本保証を匂わせ、配当金の目標は年3%だとX氏は説明した。当時はリーマンショックの影響で長期金利が1%台中盤に低迷しており、たしかに好条件だった。
旧さくら銀行に入行したX氏は、合併により三井住友銀行が誕生した後、同行の神田支店長などを経て本店上席調査役に就任。その後、SMBCローンアドバイザーに出向し、’08年6月から’12年5月までローンビジネスサービスの取締役専務の任にあった。
資金に余裕ができたAさんは翌年9月、X氏との″取引″に踏み切った。銀座にある別の喫茶店で、Aさんはまず2000万円を現金で手渡し、「振込金受取書」を受け取った。
「X氏からは事前に『特別な取引なので記録の残る口座でのやり取りはできない』と説明を受けていました。その代わり、X氏は三井住友銀行の行名が入った受取書を用意していた。印紙が貼られていましたし、銀行の社印も押されていた。それを銀行のロゴ入りの封筒に入れて持ってきたので、完全に信用していました」
『FRIDAY』2026年2月13日号より
取材・文:甚野博則(ノンフィクションライター)
