神奈川の公立トップに定着した「横浜翠嵐高校」。「生徒の心に火をつける授業」を実践するべく、職員が取り組んでいるのは…
国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「横浜翠嵐高校」です。
【書影】歴史・伝統・校風、有名な卒業生まで徹底網羅。八幡和郎『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』
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横浜翠嵐高校 県立/共学/神奈川県横浜市神奈川区
「生徒の心に火をつける授業」で神奈川県公立ナンバーワンに
神奈川県横浜市神奈川区にある共学の公立高校。湘南高校とともに、学力向上進学重点校(アドバンス校)に指定されている。大正3年(1914)に県下で5番目の中学として開校し、県立第二横浜中学校と名乗った。
男子のみの旧制中学校だったが、昭和25年(1950)に現在の県立横浜翠嵐高等学校と改称し、男女共学とした。「翠嵐」は「すいらん」と読み、山は緑で、吹く風は香しく麗しいという意味の漢語的表現。
校舎は閑静な三ツ沢の丘に建っている。学校周辺は横浜駅西口から徒歩でも20分、バスを使えば至近であるほか、地下鉄ブルーライン三ツ沢下町駅や東横線反町駅からも徒歩圏内という交通至便にもかかわらず、いまも豊かな自然環境に恵まれている。
前述したように平成29年(2017)から、学力向上進学重点校の指定を受け、将来の日本や国際社会においてリーダーとして活躍できる人材の育成に取り組んでいる。高い進学意欲を持つ生徒の希望をかなえるために、職員は不断の授業改善に取り組み、「生徒の心に火をつける授業」を実践し、夢や目標への挑戦を支援しているという。
最近では湘南高校をしのぐ勢い
はじめて二桁の東京大学合格者を出したのは2009年だが、2012年には一気に50人に躍進した。
2025年度の大学入試では、東京大学に74名、京都大学に11名のほか、横浜国立大学に36名の合格者を出した。また、早稲田大学に236名、慶應義塾大学に173名、東京理科大に192名、明治大学に231名など難関私立大学にも多数の合格者を出していて、最近では湘南高校をしのぐ勢いである。
運動部などによる全国大会などでは特筆する実績はないが、90%以上の生徒が部活動に参加しているという。6月に開催される文化祭(翠翔祭)と、9月に開催される体育祭は、それぞれ一大イベントとして学生と先生が一丸となって盛り上げており、学業だけでなく何事にも熱心に取り組む雰囲気が横浜翠嵐高校にはあり、生徒たちは様々な活動を通して、豊かな人間性を育んでいる。
また、多彩な人材を輩出しており、サントリーホールディングスやローソンの会長を務めた新浪剛史が有名。そのほかの著名人としては、フジテレビのプロデューサーとして活躍した横澤彪、ミュージシャンの「真心ブラザース」桜井秀俊、夜回り先生として知られた水谷修、作家の生島治郎もいる。
※本稿は、『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
