レトロなテック、全員集合。「伝説のプロダクトたち」がウェブで見られる
カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピューター歴史博物館(The Computer History Museum)をご存じですか? コンピューターの歴史に興味のある方が午後のひと時を過ごすには、うってつけの場所です。
もしも「コンピューターの歴史に興味はあるけれど、カリフォルニアは遠いんだよね…」という方がいたら、朗報ですよ。
コンピューター歴史博物館が先日、遠隔地からでも博物館を探索できる優秀なオンラインポータル“OpenCHM”を開設しました。
そこは楽しいオンライン博物館
もちろん、気になったものをクリックして見てまわることもできますが、それだけで物足りないなら、コレクションのハイライトに直接アクセスすることも可能。初期のコンピューターやマイクロコンピューターの充実したコレクションだけでなく、写真や記録といった歴史的価値のある品々が数多く並んでいます。
中には、ジャカード織機や『アダムズ・ケーブル・コーデックス』など、情報化時代以前の資料もちらほら。『アダムズ・ケーブル・コーデックス』は1894年に出版された書籍で、電信でメッセージを送る際の文字数節約に使われた暗号が数百語も収録されています。
現地の博物館には現物はわずかしか展示されていませんが、幸い、インターネット・アーカイブには同書の完全スキャン版が保存されています。
でも説明があっさりしすぎ!
ポータルサイトは、全体的にこんな感じです。とはいえ、OpenCHMはまだベータ版で、現状ではアイテムに関する説明がシンプルすぎてわかりにくいのが玉にキズ。今後、サイトが充実して、解説もレベルアップしていくことを期待します。
たとえば、マイクロ波用真空管の一種であるクライストロンは、「このアイテムは木製の台座に取り付けられています」としか書いておらず、自分でネット検索しないとわかりませんでした。
かつての「テクノロジーの夢」に想いを馳せて…
まあ、こんな細かい不満はさておき、博物館には探索の価値がある資料が豊富にそろっており、OpenCHMなら簡単かつ楽しくその作業を行うことができます。
コレクションへの入り口も複数用意されており、ハイライトページや厳選コレクションのほかにも、「ディスカバリー・ウォール」と呼ばれるコーナーも。こちらは、「オンラインのビジターが選んだアイテムをダイナミックに展示する」コーナー。みんなの注目アイテムを見られるのが興味深いところです。
著者がサイトを訪問した時点では、まばゆいイエローのAtariのTシャツ(1977年)、未開封のたまごっち(1997年)、「ボットに番組を書かせるな!」と書かれた脚本家組合ストライキのプラカード(2023年)、そしてマイクロソフトのPS/2マウスなどが並んでいました。マウスをひっくり返してトラックボールを取り出し、内部の小型ローラーに溜まった数カ月分の汚れを掃除した覚えのある方…ゾクゾクしちゃいますよね。
今回、一番心を打たれたのは、テッド・ネルソンが1974年に自費出版した大作『コンピューター・ライブラリ/ドリーム・マシン』でしょう。この本はコンピューターリテラシーの普及と、それによって期待される「解放」を提唱しています。
本書は驚くほど先見的。ネルソンはハイパーテキストの初期の提唱者であり、それを本書で予言者していたことも特筆すべき点。ただ、ここで示されていた「技術ユートピア主義」は今となっては無邪気すぎて愛おしいほど。ただ、痛々しいほどナイーブにも映ります。
裏表紙には「コンピューター・スクリーンを通じた新たな自由」とのうたい文句が。ああ、彼らが今の時代を知ったら、なんて思うでしょう。

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