【日本選手権】ロッテ7位指名のHonda鈴鹿・田中大聖 衝撃の161キロ計測「全力で投げただけ」
◇第50回社会人野球日本選手権大会準々決勝 Honda鈴鹿2―4ヤマハ(2025年11月10日 京セラドーム大阪)
ロッテからドラフト7位指名を受けたHonda鈴鹿・田中大聖は8強で涙をのんだが、衝撃の剛球を披露した。
「本当に勝ちたかったので、全力で投げただけです。チームが勝つために流れを持ってきたいと思っていたので、その一心でした」
2―4の8回から4番手として登板。先頭の4番・網谷圭将に投じた初球でいきなり156キロを投じると、カウント1―2から投じたボールは、なんと自己最速を4キロ更新する161キロを計測した。その剛球で、網谷を一ゴロに料理。さらに続く5番・森川凌に対しても2―2から投じたボールが160キロを計測したが、こちらは痛恨の死球となった。それでも1死一塁から後続を遊飛、空振り三振に仕留め、1回無安打無失点。京セラドームのマウンドに、衝撃を残した。
だが、田中の力投もチームの反撃にはつながらず、敗戦。社会人最後の試合を戦い終えた剛腕は「2年間はあっという間でした。やっているときは長く感じましたが、あっという間でした」と振り返った上で「人として、すべて成長できたと思います。技術もそうですし、取り組み方も。尊敬できる人たちしかいないので」と涙にくれた。
そして、しっかりと前を見据えた。来年から挑むプロの厳しい世界に向け「1軍で結果を残すということを目標に、やるだけだと思っています。やることは変わらないと思うので、本当に、今までやってきたことに加えて技術を上げていくだけと思います」と抱負。「(プロでも抑えをやりたい気持ちは)あります。球界を代表できるような抑えになれたらと思います」と青写真も描いた。
近畿学生リーグ2部の太成学院大時代は、主に野手としてプレーしながら投手も務め、投打二刀流選手としてプロの注目も集めたものの、大学4年時のドラフトで指名漏れを味わった。そこで社会人2年目の今年はプロに行くため、投手一本でのプレーを決意。「投手をちゃんとやったのは今年が初。それまでは野手でずっと試合に出て、投手の練習はほぼせずにという感じでした。でも今年は“本当にプロに行きたい”という自分のワガママで、投手一本でやらせてもらいました」。その結果がロッテからのドラフト7位指名、そしてこの日の「161キロ」につながった。だが、まだ完成にはほど遠い。それを自覚しているからこそ言葉に力をこめる。
「まだまだ、これからかなと自分では思っています。全然、まだまだ、投球内容も満足いくものではなかったので。まだガムシャラに投げている感じがあるので、もっとコントロールも、切れも、まだまだ成長する部分しかないと思うので、これからもっと詰めてやっていきたい」
この日手にした「最速161キロ右腕」の肩書も、すぐに上書きされそうだ。それだけのポテンシャルを秘めていることは、間違いない。

