外食は年間600回以上! マッキー牧元の発掘! 地方の名店〜山形編〜
「おいしい」を求めて全国を飛び回る、タベアルキスト・マッキー牧元さんに知られざる地方の名店を教えてもらう企画。山形県でマッキー牧元さんが実際に行って心打たれた2軒をご紹介。
山形でマッキー牧元さんの心を打った2軒とは?
三幸

「ドシン、ドシン」。皿が置かれるたびに、地響きが鳴るようだった。ここは山形、地元民が愛する洋食屋「三幸」である。
「昼は和食のフルコースだから、夜は庶民的な店がいいなあ」。そう尋ねると、教えてくれたのがこの店である。
店に入ると、市街地だというのに、満席だった。隣は家族連れが食べている。その隣は、立派な体格をした男性2人が、無心で食べている。その光景だけでお腹が空いてきた。
メニューを見れば、ああ悩むなあ。とんかつ、海老フライ、メンチカツ、ビーフシチューにタンシチュー、ハンバーグにカレーライス、洋食界のスターたちがずらりと並んでいる。
悩みに悩み、いくつかお願いすることにした。

まず、はやる食欲を少し落ち着かせようと頼んだ、生ハムサラダが運ばれた。この前菜を男4人でつまみながら、ビールを飲む。
さあ主役の登場である。

おお、なんとたくましい。それも雄大な姿をしているではないか。メンチカツは、岩のような塊がゴロンと2つ置かれ、さあ食べろと挑んでくる。

大ぶりな牡蠣を2個抱き合わせたフライは、皿をグルンと囲んでそびえ立ち、ストーンヘンジかと思った。だから噛み応えがある。口をあんぐり開けて噛みしめれば、牡蠣のエキスがどっと口の中に流れ込む。

生姜焼きを頼めば、ポークソテーのように分厚く、これまた噛む喜びを与えてくれるではないか。だからハラミステーキはビビって、130gにしてしまった。

ラーメンとミニカレーのセットを頼めば、昭和の味がするラーメンは、見た目以上に麺が多い。あまつさえ、ミニカレーも、どこがミニ?というお姿である。

このカレー、一見懐かしの家庭風、もしくは林間学校最後の日に出た、どろり系日本的カレーなのだが、クミンやコリアンダーが利いていて、クセになる。
もうお腹がはちきれそうである。だが良き暴食は、麻薬性があるのかもしれない。もう食べられませんと店を出たが、この後餃子を食べ、パスタを食べるとは。
<店舗情報>
◆三幸
住所 : 山形県山形市南栄町2丁目12-19
TEL : 023-622-1536
好吃再来 (ホツザイライ)

山形の夜に、地元民だけが愛している店が一軒、明かりを灯す。店名を、「好吃再来(ホツザイライ)」という。
店に入れば、中国人のお母さんが一人、忙しそうに働いていた。
12種類ある餃子は、中華風や四川風のスープ餃子、エビや肉の蒸餃子と焼餃子、海鮮の「三鮮水餃子」などである。水餃子、肉焼餃子、蒸セロリ餃子を頼んでみた。

すると瞬く間に運ばれた。一人だというのに手早い。「はい。水餃子できたよ」と、にこりと笑いながら、次々と運んで来る。
水餃子は、ねっちりつるんとした皮の中から、肉餡のうまみが溢れ出る。焼餃子は、カリッと焼かれた面と、もっちりとした皮の対比がうれしい。「あっちち」と言いながら噛めば、中から肉汁がほとばしる。

蒸セロリ餃子の厚い皮は、ふわりと歯を包み込み、続いて爽やかなセロリの香りが口から鼻に抜けていく。
次回は1軒目に来て、酸辛スープ餃子やエビ入りズッキーニ餃子、肉蒸餃子にエビ焼餃子も食べるぞ。いや全種類全部食べるぞ、と心に誓った。
それこそが「好吃再来」(中国語で「おいしかったらまた来てくださいね」)だね。
<店舗情報>
◆好吃再来
住所 : 山形県山形市旅篭町1-2-21
TEL : 023-635-2598
教えてくれた人

マッキー牧元
株式会社味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチ、エスニック、スイーツに居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ・テレビ出演。とんかつブームの火付け役とも言える「東京とんかつ会議」のメンバー。テレビ、雑誌などでもとんかつ関連の企画に多数出演。
食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/
※価格はすべて税込です。
文・写真:マッキー牧元
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