『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる 2nd Stage』©「彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる2nd Stage」製作委員会・MBS

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 この夏、多くの感動を呼んだ連続ドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる2nd Stage』(MBS)。本作で元日向坂46の加藤史帆とW主演を務めた森カンナは、今最も同性から「メロい」という感情を向けられている女性俳優だ。「メロい」は相手の容姿に限らず、何気ない仕草や言動などに魅了された時に使われる。では、森の“メロさ”はどこからくるものなのだろうか。

参考:『あやひろ』加藤史帆×森カンナの原作オマージュ2S

 Sal Jiangによる人気漫画を原作とする『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』(通称、『あやひろ』)は、近年乱立するBLドラマと比較すれば数少ないGL作品。2024年7月から8月にかけてシーズン1が放送されるや否や国内外で大きな話題を呼び、深夜ドラマ枠としては異例の大ヒットを収めた。映画.comが発表した【第1話を見て“継続視聴”を決めた夏ドラマランキング】ではシーズン2がぶっちぎりの1位を獲得しており、2,237票という得票率の高さからもファンダムの大きさが伺える。

 多くの人を夢中にさせているのは、何事にも一生懸命で純粋な彩香(加藤史帆)のかわいさ。そして何より、そんな彩香を夢中にさせ続ける弘子(森カンナ)のカッコよさではないだろうか。モデルとしてキャリアをスタートさせた森はスタイルが抜群。本作でマニッシュなスーツを着こなしており、その凛々しい立ち姿だけでも思わずくらっとなりそうになる。加藤と並んだ時の身長差も萌えポイントの一つだ。

 演技面では、多彩な表現力が光る。弘子は彩香の会社の先輩で、仕事ができて頼り甲斐があり、みんなから憧れられる存在だ。でも、心の中は意外にも賑やか。かつ生粋の女好きで、彩香の積極的なアプローチも涼やかな顔で交わしながら内心は動揺しっぱなしだ。そんな弘子の外と内のギャップを緩急つけて演じた森。コミカルで楽しく、それでもってトゥーマッチにならない絶妙なバランスは長年のキャリアで培ってきた感覚が為せる業だろう。

 『あやひろ』は当事者性を意識した作りになっており、マジョリティからマイノリティに対する無自覚な差別や偏見、それによるマイノリティの苦しみや葛藤を繊細に描いている点でも高く評価されている作品だ。昔からレズビアンであることを自覚している弘子も幾度となく傷ついて、そのたびに飲み込んできたであろうことがふとした時に見せる切ない表情から伝わってくる。目の前の幸せが壊れることを人一倍怖がる臆病さ、彩香を大切に思っているがゆえに一人で抱え込んでしまう優しさと不器用さ。それらを表現する森の演技は、マイノリティとして生きてきた弘子の“歴史”を確かに感じさせる。そんな弘子を初めて人を好きになった彩香が生まれたての無垢な愛で包み込む図式が堪らなくいいのだ。彩香の前だけで曝け出す弱さも含めて、その存在すべてがメロい。

 2009年に『仮面ライダーディケイド』(テレビ朝日系)のヒロイン役に抜擢されたことをきっかけに、本格的に俳優の道を進み始めた森。『ショムニ2013』(フジテレビ系)では男性社員を手玉に取る小悪魔OL、『いつかティファニーで朝食を』(日本テレビ系)では恋に奔放なバーの雇われ店長演じるなど、20代の頃はフェミニンな役柄もこなしていたが、森自身はサバサバとした性格のようだ。

 近年は本人の性格やパブリックイメージに合った役柄が増えてきており、それに伴って人気も急上昇している。『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)では乳腺外科医の内田を好演。病院では中堅どころで、まどか(芳根京子)たち研修医に近い目線で接し、さりげなく助け舟を出す役柄だ。森は親しみやすさと頼りがいを両立させており、この時も視聴者から「メロい」という言葉が上がっていた。『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)では、芳根と姉妹役で再共演。森扮するはる江は気の強い性格だが、妹思いな優しいお姉ちゃんで、森の温かみのある演技が印象的だった。

 プライベートでは、Bリーグオールスターゲームのアンバサダーを務めたことがきっかけで出会ったバスケットボール日本代表の馬場雄大と2021年に結婚。馬場は2023年から長崎ヴェルカに所属しており、東京との2拠点生活を送りながら熱心に試合にも駆けつけている森はバスケファンからも親しまれる存在だ。自身も小学3年から中学3年までバスケ部に所属していた森。渋谷区で最優秀選手に選ばれたこともあり、2015年には映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の中でその腕前を披露している。また同作では華麗なアクションも見せるなど身体能力が高く、そこもメロポイントの一つだろう。本人もアクション作品への意欲が高く、「プライベートでピラティスやジムに通って体を動かしているので、お芝居でも生かしたいです。いつでも戦える準備はできています!」(※)と語っている。もしかしたら近い将来、アクション作品でより一層メロい森を拝めるかもしれない。

参照※ https://encount.press/archives/827918/

(文=苫とり子)