一生泳ぎっぱなし!? マグロが止まらない驚きの理由とは【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】
泳いでいないと呼吸ができない
通常、魚はエラを開いたり閉じたりして水中の酸素を取り込みますが、マグロやカツオなど長距離を高速で泳ぐ回遊魚は、エラを自分で動かすことができません。そのため、口を半開きにして泳ぎながら水を取り込み、エラに送り込むことで呼吸をしています。
これを「ラム換水」と呼び、泳ぐことと呼吸することが切り離せないため、一生泳ぎ続けなければならないのです。
さらに、マグロやカツオの浮き袋は発達していないため、泳ぐのをやめると体が沈んでしまいます。不便そうにも思いますが、水中で余計な浮力の調整をしなくて済むため、スピード重視の泳ぎには役立つ特徴なのです。
流線形の体形、強い尾ビレなども相まって、たとえばマグロの中でも最も大型のクロマグロは、最高時速80㎞もの速さで泳ぐことができます。
とはいえ、まったく休まないわけではありません。夜間はゆっくりとした速度で泳いだり、ほんの数秒間眠って休息をとったりします。
中距離を回遊するサバやブリ、イワシなどもラム換水を行いますが、エラを自分で動かせるため、常に泳ぎ続ける必要はありません。季節によって移動するタチウオなどはエラを動かす呼吸のみを行い、むしろ静止は得意です。
魚たちは、それぞれの生態に合わせた体の特徴をいかしながら海の中で生きているのです。
泳ぎ続ける魚の特徴
泳ぎ続ける魚
マグロやカツオなどの泳ぎ続ける回遊魚は、口を開いて泳ぎ続けることで、水をエラに送り込む「ラム換水」で呼吸する。
普通の魚
普通の魚は、口とエラを動かす「二重ポンプ換水」によってエラに水を送り込み、水中の酸素を取り込む。
回遊魚にもいろいろなタイプがいる
【カツオ】長距離を高速で泳ぎ続けるカツオは、ラム換水で泳ぎ続けながら酸素を取り込む。未発達の浮袋もスピード重視の泳ぎに適している。
【マサバ】中距離を移動するサバは、ラム換水とポンプ呼吸の両方で呼吸ができる。そのため、基本は泳いでいるものの、止まることもできる。
【タチウオ】季節によって移動するタチウオは、泳ぐよりむしろ静止が得意。細長くしなる体形で、フワッと浮かびながら止まり、獲物を待ち伏せる。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
