桐谷健太、40歳を過ぎて変わった“主演”に対する意識の変化 自分と向き合えたきっかけとは
桐谷健太主演ドラマ『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が、4月6日よりスタートした。本作は、20年消息不明だった謎の男・赤山(桐谷健太)が、夢を失くした若者たちとともに腐った大人を叩きのめす不屈の復讐エンターテインメントだ。そんな本作で主人公・赤山を演じる桐谷にインタビュー。40歳を過ぎたときに起きた気持ちの変化や、そのきっかけ、さらに赤山という役柄にかける思いまでを語ってもらった。
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ーー『いつか、ヒーロー』は迫力がある作品になりそうですね。
桐谷健太(以下、桐谷):映像作品は、画の見せ方や色合いが大事になってくるじゃないですか。そのなかでも、今回の作品に関しては、それがマストになってくるなと思っていたんです。今のところ、僕の理想ドンピシャというか。むしろ超えてきている感じがありますね。
ーーだいぶ身体を張られていますよね。
桐谷:そうですね。全力で体当たりでぶつかっています。気持ち的にも体当たりでいかないと、赤山というキャラクターとは向き合えないなと。
ーー具体的にどのようなところで感じられたんですか?
桐谷:第1話の脚本を読んだときに「これ、どうやって撮るんだろう?」ってなったんです。まったく想像がつかなくて。というか、毎回想像を超えてくるから、思いっきりぶつからなければ、赤山を体現することができないなと思ったんですよね。逆に、思いっきりぶつかることで、「自分の想像を超える赤山ができるんじゃないか」って。こんなこと自分から言うことじゃないかもしれないですけど、『いつか、ヒーロー』は僕の節目になる作品になると感じています。
ーー演じる上で、大切にしていることはありますか?
桐谷:そもそも、元を辿ればこの世界は遊びが全てなんですよね。子どものとき、みんな“〇〇ごっこ”とかやるじゃないですか。しかもすごく真剣に。でも、誰かに褒められようとか認めてもらおうみたいな気持ちはまったくなく、ただ自分がたまらなく夢中になっているだけで。だけど、この仕事は評価とかまわりの意見や数字が必ずついて回るんですよね。
ーーたしかにそうですね。
桐谷:もちろん、評価をしてもらえるのはすごく嬉しいです。でも、やっぱり何にも代えがたいのは、子どものときのように自分が楽しむこと。演じることに没入して、もはや楽しんでいる感覚さえも忘れているというか。とにかく、演じることが好きなんでしょうね。今回の作品でも、「体当たりでぶつかって、どこまでいけるか」を楽しんでいる部分も大きい。その先に、何かを感じてくれる人がいてくれたらいいなと思いながら演じています。
ーー桐谷さんはすごくエンタメの力を信じている印象を受けます。
桐谷:たしかにそうかもしれません。僕自身も幼いころに映画を観て、「この四角の中に入りたい」と思ったことがあるんですよ。だから、赤山に関しても、「こういう人間がいるんだ」とリアルに感じてくれる人がいたらいいなと思っています。それで世界が大きく変わるとかはないかもしれないけど、何かひとつでも良い影響を与えることができたらなと。たとえば、『いつか、ヒーロー』が面白いから、日曜日が楽しみになるとか。「何か、今日ワクワクするな」「あっ、好きなドラマあるからや」ってなることが僕もあるから。
ーー『院内警察』(フジテレビ系)、『坂の上の赤い屋根』(WOWOW)、『Qrosの女 スクープという名の狂気』(テレビ東京系)と3本の連続ドラマで主演を務めた2024年に続き、本作は2025年初の主演ドラマになりますね。
桐谷:ありがたいですね。そもそも、『インフォーマ』(2023年/カンテレ)まで、連続ドラマで単独主演を務めたことがなかったので。高校生のときなんかは、コンビニに雑誌が並んでいるのを見て、「なんで俺が表紙やってないの?」ってすごい違和感を抱いたこともありました。だから、自分で『KEN’S NON-NO』(※高校時代に友人と作ったオリジナルのファッション誌)を作ったりしていたわけなんですけど(笑)。ただ、作品に関しては「主演も脇役も芝居をする意味では同じでしょ」とあまり気にしていなかったところがありました。
ーー現在はどうですか?
桐谷:いま45歳なんですけど、40歳を超えたあたりから、「主演、やるべきでしょ」「やるべきというか、やるでしょ」という気持ちになってきたんです。それはいろんな人の支えや言葉があったからこそだと思うんですけど。「やれる、やろうぜ!」というスタンスになってから、主演のお仕事が舞い込んでくるようになったんです。だから不思議なんですよね。準備ができたから来るようになったのかな?
ーーなにか考えが変わるきっかけがあったのでしょうか?
桐谷:やっぱり、コロナ禍が大きなきっかけになっていたと思います。あの時期って、みんな自分のことを見つめざるを得なかったじゃないですか。外にも出られないってなったときに、いい意味で自分と向き合えたんですよね。そのタイミングで、意識が大きく変化していったのをすごく覚えています。もちろん、主演でも脇役でも、芝居する意味では同じという気持ちは変わらないんですけど、また違う面白さがあるなと。主演をやったことで気づくことができました。
ーーたとえば、どのようなところで?
桐谷:やっぱり、主演となると現場の空気を作ることも大事になってくるわけで。僕は、ずっと主演をやることがなかったから、いろいろな主演の方の背中を見ることができたんですよね。いま思えば、それはすごくラッキーなことだったのかもしれないです。また、主演をすることで、脇役をやるときに主演をどう支えればいいのかを学ぶことができる。それもすごくありがたいことだなと思っています。
(取材=宮川翔/構成=菜本かな)
