市場ではトランプトレードがドルを急騰させるという話ばかりが取り沙汰されているが、投機ポジションは、ドルが将来の上昇余地を残す可能性を示唆しており、ドルロングは過剰と述ぶには程遠いポジションだという。

 今年10月にヘッジファンドとアセット・マネジャーは、かなりのスピードでドルロングを積み増した。月初には約136億ドルのドルショートだったのが、選挙当日には176億ドルのドルロングに一気に急変している。このペースが続くことはないだろうが、ドルロングが飽和状態と言うには程遠いという。

 米大手銀のストラテジストは、選挙後のレバレッジド・ファンドやアセット・マネジャーの間でのドル売りがいかに軽いかものだったかを指摘している。11月5日までの1週間、そして11月5日の大統領選当日を含めて、基本的にドルロングは横ばいで推移しているという。

 また、ドルロングは過去の経験則からも伸び悩んでいるように見え、現在は176億ドル規模のロングだが、4月には最大320億ドル超まで拡大していた。これは過去約5年間で最もドル高にポジティブなスタンスだったが、9月に入ってドルが大きく下落したのは、そのポジションの解消だったという。

 次期トランプ政権に関するニュースや、水曜日の米消費者物価指数(CPI)といった重要な経済データ、そして12月には年内最後のFOMCと闘わなければならないことを考えると、現在のセンチメントが急変する可能性はあるが、現時点では、まだドルは走る余地が十分にあるように見えるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美