【ネタバレ】『デューン 砂の惑星PART2』エンディング解説 ─ 小説からの脚色、待望の3作目『砂漠の救世主』はどんな内容?
ドゥニ・ヴィルヌーヴが手がける壮大なSF超大作、待望の続編『デューン 砂の惑星PART2』がついに公開された。伝説的なSF小説を甦らせたヴィルヌーヴ版『デューン』をめぐっては、早くもシリーズ3作目実現の機運が高まっている。
『デューン 砂の惑星PART2』は激動のラストを迎えることとなったが、果たして物語はどう続いていくのだろうか。本記事では、本作の結末を振り返るとともに、3作目についての情報を整理。原作にあたる『デューン 砂漠の救世主』の内容もお伝えしながら、今後の動きを見ていきたい。
この記事には、『デューン 砂の惑星PART2』のネタバレが含まれています。
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(c) 2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved 『デューン 砂の惑星PART2』エンディング解説前作『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)で一族を虐殺された少年ポール・アトレイデス()は、『デューン 砂の惑星PART2』で見事フレメンの信頼を勝ち取り、彼らを緑の楽園へと導く「クイサッツ・ハデラッハ」として覚醒。ハルコンネン家の宿敵であり、血のつながった従兄弟でもあったフェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)を決闘により打ち負かし、陰謀の黒幕シャダム4世(クリストファー・ウォーケン)を宇宙皇帝の座から引きずり落とした。
物語は一件落着と思いきや、波乱の展開が訪れた。ポールは決闘の前、チャニ(ゼンデイヤ)に「一生愛する」と誓っていた矢先、皇帝の娘である皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)を娶(めと)ると宣言したのだ。これに動揺したチャニは決闘が行われた大広間を後にし、アラキスの砂漠へひとり繰り出した。怒りとも悲しみとも取れる絶妙な表情を浮かべたチャニが、サンパーを使ってサンドワームを呼び寄せるところで本編は幕を閉じた。
© 2024 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.『デューン 砂の惑星PART2』は2024年No.1の大ヒットを記録しており、早くも前作を上回る勢い。本記事掲載時点で世界累計興行収入は、3億8,800万ドルをした。批評家からの評価も上々で、米では批評家スコア92%という高水準を保っている。
滑り出し順調の『デューン』からは、先述の通りシリーズ第3作が水面下で進行中だ。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、2023年12月の時点で脚本を「ほとんど執筆し終えている」と明かしていた。実現させるのが「夢」だとヴィルヌーヴが語る3作目の下敷きとなっているのが、ポール・アトレイデスの物語の完結編『デューン 砂漠の救世主』。これまでに映画化されたことはなく、実現を待ち望んでいる原作ファンは多い。
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原作小説『デューン 砂漠の救世主』どんな物語?小説『デューン 砂漠の救世主』は、『PART2』のラストでも描かれたポールの王座奪還から12年後のアラキスが舞台。未来を視るクイサッツ・ハデラッハとなったポールは、皇帝としてアラキスを治めていた。
母親であり教母のレディ・ジェシカは、ガーニー・ハレックとともに安寧の故郷カラダンへと帰り、代わりに妹のアリアがポールを側で支えていた。ポールが愛を誓ったフレメンのチャニは側妻(そばめ)という立場に置かれており、変わらず一緒に生活をしていたものの、その関係は正妻のイルーランをめぐってギクシャクしてもいた。
そんな中、遠い別の惑星ではポールに対する陰謀が計画されていた。謀略の主要メンバーは、ベネ・ゲセリット、宇宙協会、そして謎多き第三勢力ベネ・トライラックスといった旧勢力の人間たちだった。そこには、レディ・ジェシカの師である教母ガイウス・ヘレン・モヒアムのほか、不満を募らせていたイルーランも加わっていた。『砂漠の救世主』では、そんな謀りごとを予知しながらも、内部の裏切りなどにより窮地に立たされるポールの苦悩が描かれていく。
『デューン 砂の惑星PART2』は概ね原作の展開通りに描かれていった一方で、ヴィルヌーヴが意図的に脚色したと思われる描写もあった。ゼンデイヤが演じたチャニのエンディングにおける立ち回りだ。映画『PART2』のチャニは、ポールがイルーランを娶ると聞いてショックを隠しきれないでいたが、小説版ではより従順に描かれている。チャニに対するポールの接し方にも変更が加えられた。映画版では「これからも愛し続ける」とチャニに伝えるのみだったポールだが、小説版では、フェイドとの決闘後にストレートな愛情表現を行っているのだ。以下、小説版からの引用。
「おれの妃はあそこにいる女(編注:イルーラン)となり、きみは愛妾となる。これは政治的なことがらであって、いまは和平を第一に考え、領主会議に属する各大統領家の支持を得なくてはならないからだ。体裁は取りつくろう必要がある。ただし、あのプリンセスがおれから得られるのは、おれの名前以外にはない。おれの子供を産むこともないし、おれの手で触れられることも、おれにやさしい眼差しを向けられることもなく、欲望を抱かれることもない。一瞬たりともね。」フランク・ハーバート(酒井昭伸 訳)『デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下)』ハヤカワ文庫SF、2016、289頁
この説得に、チャニは「いまはそういうけれどね…」と不安げに答えるのみ。それから12年後、『砂漠の救世主』のチャニは、ポールの側妻として登場している。
(c) 2024 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.ヴィルヌーヴがチャニをより自立的な人物として描いたことは、『砂漠の救世主』を映画化する上での鍵となってくるはずだ。米が指摘しているように、『砂漠の救世主』ではキャラクターたちが「座って話すだけ」の会話劇が多く、物語はアクション要素も詰め込まれた『デューン 砂の惑星』と比較するとどうしても地味に感じられてしまう。
一方、『PART2』ではポールに次ぐ第二の主人公と言っても過言ではないほどの存在感を見せたチャニが、『砂漠の救世主』映画版における動力源となってくるのではないか。『PART2』のラストで描かれた、動揺したチャニがアラキスの首都・アラキーンを発とうとする描写は、小説版には存在しないオリジナルのシーン。ヴィルヌーヴが『砂漠の救世主』をどれほど忠実に映像化するのかは定かでないが、少なくともチャニをめぐるプロットにはひとひねりありそうだ。
© 2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reservedまた、フローレンス・ピューが演じたイルーランの登場も増えていくことになるだろう。イルーランは上述の通り物語における敵の立ち位置。ポールとの子どもを望むチャニに対して密かに避妊薬を飲ませるなど、チャニとの対立関係も注目なキャラクターだ。ヴィルヌーヴも、イルーラン役のフローレンス・ピューとの再タッグを熱望しており、もう一度仕事を共にするためだけに『砂漠の救世主』を作りたいとまでほどだ。
© 2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved現時点で、シリーズを率いる米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーからは3作目に関する正式な発表はなされていない。一方、製作を担う米レジェンダリー・エンターテイメントのジョシュ・グロードCEOは「作らない理由はないです。クリエイティブ上の関係者全員が足並みを揃え、(ヴィルヌーヴの)ビジョンを支えなければいけません」とだ。シリーズで音楽を手がけるも、『砂漠の救世主』に向けた楽曲制作にという。
ちなみに小説『デューン』シリーズでは、『砂漠の救世主』以降も『デューン砂丘の子供たち』『デューン砂漠の神皇帝』『デューン砂漠の異端者』『デューン砂丘の大聖堂』と続編が存在する。しかしヴィルヌーヴ監督は、「『砂漠の救世主』が自分にとって最後の『デューン』であるべきだ」と。主要キャストのティモシー・シャラメとゼンデイヤもすでにカムバックに前向きな姿勢をこともあり、トリロジーでの物語完結に期待がかかる。
映画『デューン 砂の惑星PART2』は公開中。
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