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積算1万1321km 荷室を削る電動トノカバー

週末に、TVRグランチュラによる草レースへお邪魔した。ランドローバー・レンジローバーは、パドックでのスタッフ車両として大活躍してくれた。

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大量の荷物を運ぶ場面では、電動トノカバーが荷室容量を削っていることにも気づけた。快適性は古いTVRの比ではないことも、しっかり確かめられた。


ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

積算1万2515km 都市部では手に余る大きなSUV

ロンドンのように混雑した都市部では、大きなSUVは手に余る存在になりがち。今回は都合により、わたし、フェリックス・ペイジが新しいレンジローバーのカギを預かることになった。

アルミホイールへガリキズが付き、バンパーの角が凹むという、悲しい光景が頭をよぎったことは間違いない。全長は5mを超え、全幅はサイドミラーを含めると2.2m以上ある。狭い路地でロンドンバスの横をすり抜けるような環境は、想定されていないだろう。


ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

だが、荷物を沢山積んで長距離移動する必要があり、快適に運転できる内燃エンジン・モデルが必要だった。そこで、予め運転席へ座り、ボディ四隅の感覚を身体へ覚えさせることに。移動ルートを確認し、不必要に狭い道を通らないかも確かめておいた。

大型SUVを運転している感覚が薄れていく

最初のミッションは、レンジローバーをAUTOCARの立体駐車場から地上へ下ろすこと。これは、想像していたより簡単に終わった。

実際は、少し暇そうにしていた編集長のスティーブ・クロップリーへ声をかけ、レンジローバーの印象を改めて聞かせて欲しいと頼んだだけ。彼は7階の駐車場からクルマを降ろし、周辺を走らせ、エンジンも温めてくれた。


ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

レンジローバーには、最大7.3度までリアタイヤの向きが変わる、後輪操舵システムが実装されている。フォルクスワーゲン・ゴルフに迫るほど、小回りが利く。

更に、オフロードを前提としたカメラシステムは、目視しにくい壁や縁石の近接警告にも使える。数日後に自分でも試してみたが、想像以上に取り回しはしやすい。

次のミッションは、グレートブリテン島の中央部、ゲイドンにあるアストン マーティンの本社へ向かうこと。いよいよ、深呼吸をして発進。リアタイヤで歩道の縁石へ乗り上げてしまったが、緊張をほぐしながら、高速道路のM40号線へ合流する。

ところが3kmも走らないうちに、大きなSUVを運転しているという感覚は薄れていく。高速巡航時は、高級なステーションワゴンと同じくらい車内は静か。車線の中央を維持することも難しくない。

周囲の車両にとっては、大きな存在であることに間違いはないが、高速移動に過度の集中力が求められるクルマではない。運転席からの視界は良好だし、運転支援システムも非常に役に立つ。

レンジローバーが身体の一部に感じられる

用事を済ませ、自身の運転技術を信じつつ、帰宅時間で混雑するスーパーマーケットの駐車場へ。自宅の駐車場へも、問題なく収めることができた。

翌日の午前中にも数100kmを走行し、最後のミッションも終了。その頃には、レンジローバーが自分の身体の一部のように感じ始めていた。


ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

大きなボディのことは殆ど気にならない。とはいえ、高速道路の走行中は特に、一定の緊張感が不可欠。全高は1.9m近くあり、車重は3t近くある。

途中、M25号線が通行止めになっており、一般道へ降ろされる。交通量は多かったが、動じることはなかった。

レンジローバーは、英国で販売されているSUVの中でも、特に全幅が広いモデルの1つへ数えられる。しかし、多少の段差や土手の路肩を気にしないで済むという利点がある。すれ違うバスを避けるため左側へ寄せるのも、ゴルフより簡単な場合もある。

生け垣がある時は、減速してサイドミラーに枝が当たらないか確かめれば大丈夫。気持ちを鎮めながら。

新しいレンジローバーは、都市部に最適なSUVとまではいえないだろう。しかし、その重さや大きさを可能な限り気にしないで済むよう、ランドローバーが努力を重ねた成果を実感できたと思う。

積算1万2855km 運転を助ける高精度なステアリング

レンジローバーは大きいが、高精度なステアリングが運転を助けてくれる。ベルグラビア・グリーンというボディ塗装も気に入った。

車内が広く、ステアリングホイールは小さく見える。インテリアに用いられた人工皮革の質感は、なんともいえないけれど。


ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

車高調整式サスペンション:エアスプリングを最も低くすると、身長が低めの女性でも荷物が載せやすい位置へ荷室のフロアが下がる。

気に入らないトコロ

重さが生む燃費:プラグイン・ハイブリッドだが、こまめに充電できないと約3tもある6気筒エンジンのSUVになる。1600kmほど走った今回の燃費は、7.8km/Lに留まった。

テスト車について

モデル名:ランドローバー・レンジローバー P440e オートバイオグラフィー(英国仕様)
新車価格:13万4865ポンド(約2441万円)
テスト車の価格:13万6900ポンド(約2477万円)

テストの記録

燃費:7.8km/L
故障:なし
出費:なし