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ブランドの次の時代がエレトレから始まる

中国のジーリー・ホールディング・グループが、スウェーデンのボルボを傘下に収めた当時をご記憶だろうか。しばらくは静かな期間が続いたものの、数年後から堰を切ったように複数の新モデルが発表された。

【画像】次代が電動SUVから始まる ロータス・エレトレ 同クラスのモデルは? エヴァイヤも 全127枚

それと同じことが、ロータスでも起きようとしている。ブランドの次の時代が、電動SUVのエレトレから始まる。四輪駆動で、ツインモーターによる最高出力が611psある、同社がハイパーSUVと呼ぶモデルから。


ロータス・エレトレ S(欧州仕様)

クーペ風のフォルムをまとった、電動サルーンが直後に控えている。コンパクトなSUVも開発が進められている。いずれも、基礎骨格となるプラットフォームは共有しており、中国の工場で量産される予定だ。

2ドアボディの電動スポーツカーが投入されるのは、それ以降。グレートブリテン島の南東部、ノーフォークで生産される計画だという。内燃エンジンを積んだエミーラと、電動ハイパーカーのエヴァイヤは、それまでの重要なつなぎ役になる。

エレトレもベースとするプラットフォーム、エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャは、47%が高張力鋼、43%がアルミニウムで構成された専用開発品。グループ傘下の他ブランドとコンセプトは通じるが、部品は1つも共有していないらしい。

ボディサイズは大きく、全長は5103mm、全幅が2000mm、全高が1630mmもある。シートレイアウトは4名がけか5名がけを選択可能。英国での価格は、9万805ポンド(約1589万円)からに設定された。

バッテリー容量は109kWh 航続距離は600km

今回試乗したのは中間グレードに当たるエレトレ Sで、英国価格は10万4500ポンド(約1828万円)。トップグレードとなるエレトレ Rでは、12万1305ポンド(約2122万円)へ上昇する。

エレトレ Sの前後に搭載される駆動用モーターは、1基306psのユニット。最高出力
はベースグレードと変わらない。エレトレ Rでは、リア側に611psのユニットが積まれ、システム総合で918psまで増強される。


ロータス・エレトレ S(欧州仕様)

仕様を問わず、フロア部分に敷き詰められる駆動用バッテリーの容量は109kWh。電圧800Vのシステムで稼働し、急速充電能力は350kWまで対応する。航続距離は600km。空気抵抗を示すCd値が0.26という滑らかなボディも、高効率を支えている。

サスペンションは、エアスプリングが標準。後輪操舵システムと、電圧48Vで稼働されるアクティブ・アンチロールバーは、エレトレ Sではオプション。試乗車には搭載されていた。Rでは標準になる。

これまで、純粋さや軽さを信条としてきたブランドには、相容れない内容かもしれない。車重は2520kgもある。

インテリアも、従来とは一線を画す。ロゴを隠した状態で、既存のオーナーが乗ってロータスだと気付ける点は、内装の臭いくらいかもしれない。とはいえ、決して悪い事実ではない。

素材や組み立て品質は、プレミアム・ブランドと呼ぶに相応しい水準へ引き上げられている。手に触れる部分は上質で、コラムから伸びるレバーの動きには締まりがある。新しいロータスを表現する部分だろう。

ライバルに引けを取らないインテリア

小径なステアリングホイールのスポーク部分には、金属で造形されたスイッチが配される。満足のいくタッチで、高音質なオーディオを操作できる。アンビエントライトの雰囲気も悪くない。シートはピッタリ縫合され、ステッチが整然と並んでいる。

英国価格が約10万ポンド(約1750万円)の電動SUVとして、ライバルに引けを取らないインテリアだといっていい。人間工学では、及ばない部分があるとしても。


ロータス・エレトレ S(欧州仕様)

エアコンを含む車載機能の多くは、ダッシュボード上の15.1インチ・タッチモニターで操作する。運転支援システムの切り替えも、メニューを掘り下げて行う。

センターコンソールには、ゴージャスなカーボンファイバー製トリムと金属製スイッチがあしらわれ、見た目も触感も好印象。太陽の角度によっては、反射光が眩しく感じられたことが、居心地の良い車内で唯一気になった点といえる。

試乗車は4シーター仕様で、前後とも乗員空間は広々。荷室容量は611Lと充分な数字だが、フロアの位置が高く開口部は狭めかもしれない。

グループ傘下になったことで、エレトレは地球規模で生み出された。グレートブリテン島の中部、コベントリーにロータスのデザインセンターがあり、南東部のへセルに本社があることは従来どおり。だが前述の通り、中国の武漢で生産される。

特筆すべきは、ハードウエアとソフトウエアが、ドイツ・フランクフルト近郊に新設された、ラウンハイム技術センターで開発されたこと。サプライヤーとの商談や、優れたエンジニアをヘッドハンティングするのに、適した場所らしい。

この続きは後編にて。