オーナー体験を向上させるアプリ BMW iX(7) 長期テスト 途上の音声認識機能
積算1万494km 静かで安楽な走りが得意
本来の長期テスト車両、BMW iX xドライブ50 Mスポーツが不調から戻ってきた。前回は、メーター用モニターが表示されなくなったことをご報告したが、バックライトの回路に不具合があったという。部品が交換され、今は通常に情報が表示されている。
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代車として乗っていた、パワフルなiX M60との違いは大きくないものの、筆者はiX xドライブ50の方が気に入っている。ステアリングのレシオは速すぎず、乗り心地は硬すぎず、余分なパワーを発揮させて電気エネルギーが不必要に失われることもない。

BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
リラックスした個性が、バッテリーEV(BEV)のSUV、iXには似合っていると思う。もちろん充分に速いものの、静かで安楽に、長距離を目指すことが得意分野。条件が揃うと、素晴らしい能力を発揮してくれる。
そのステアリングホイールを握っていなくても、お気に入りのiXを近くに感じられる機能がある。現代のプレミアム・モデルらしく、BMWもスマートフォン用のアプリを提供しているのだ。
オーナー体験をより良いものにするアプリ
家の中からリモートでエアコンを効かせるような機能は珍しいものとはいえないが、筆者がiXで目新しいと感じているのが、リモートカメラ機能。駐車した状態でも車載カメラを利用し、車内と周辺の様子を離れた場所から確認できるのだ。
iXの周辺は、カメラの画像が合成され、3D映像としてスマートフォンに映し出される。誰かがクルマにいたずらをしていても、その様子をすぐに確かめられる。筆者は、実際に何度か利用している。

BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
車内の様子は、バックミラー部分のカメラで撮影した写真が、スマートフォンへ転送される。頻繁に使う機能ではないが、BMWのリモート盗難レコーダー機能と組み合わせれば有効だ。不審人物が乗り込むと写真を撮影し、アラームで教えてくれる。
以前に誤作動でアラームが鳴った時も、この機能で車内の様子を確認している。特に人影は写っておらず誤報だと判断できたが、望ましくない状況では役に立つだろう。
ほかにも、寒い早朝にはアプリを介して遠隔でヒーターを動かし、ガラスの霜取りを予め済ませられる。イベントなどへ出かけた時は、スマートフォンの地図上へ正確に駐車位置が示される機能も便利だと感じた。
窓ガラスの開閉状態や、ドアのロック状況も手元で確認できる。駆動用バッテリーの充電時は、充電速度や残り時間、料金なども教えてくれる。BMWのアプリは、実際にiXのオーナー体験をより良いものにしてくれると思う。
積算1万821km 3段階のステアリング・ヒーター
シートヒーターの温度を3段階から選べることはよくあるが、BMW iXの場合、ステアリングホイール・ヒーターの温度も3段階から選択できる。指先で握る部分だから、実際は温度の変化を感じにくいのだけれど。
オン・オフだけでも充分かもしれない。しかし、iXが多くの技術や機能を搭載していると感じさせる部分ではある。

BMW iX M60(英国仕様)
積算1万1266km 完璧ではない音声認識機能
BMW iXのインフォテインメント・システムは、タッチモニターとロータリコントローラーだけでなく、音声認識機能でも操作できる。だが、反応は完璧とはいえない。多くのモデルへ試乗する筆者だが、まだ不満なく動く音声認識機能には出会っていない。
人間が話した内容を、機械が正確に聞き取ることは難しいのだろう。何度も話し直しているうちに、時間が過ぎてしまう。タッチモニターやコントローラーで直接操作した方が早いことは、iXでも変わらない。

BMW iX M60(英国仕様)
テストデータ気に入っているトコロ
ボディカラーとトリム:iXで選べるボディとインテリアのカラーは幅広いが、長期テスト車のコーディネートが1番だと思う。
気に入らないトコロ
冬場の航続距離:気温が低くなると、BEVは航続距離が短くなる。それでも480kmは軽く超えているから、大きな不満というわけではないが。
テスト車について
モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万9965ポンド(約1599万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約1874万円)
テストの記録
航続距離:508km
電費:4.8km/kWh
故障:アラーム用センサーの腐食、メーター用モニターのクラッシュ
出費:なし
