「東名高速」にも!? 神出鬼没な「“半”固定式オービス」が増加中! 設置場所の法則は? 「予告看板」はある? 話題の“最新オービス”を徹底解説

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これからも増え続ける? 「“半”固定式オービスとは」

 春の行楽シーズンを迎え、また、北国では雪も融けクルマで遠出をする機会も増えるかもしれません。

 その際、ドライバーは事故や交通違反には十分注意をしながら運転していると思いますが、長時間の運転ではつい速度が出すぎてしまったという経験もあるかもしれません。

【画像】あッ…オービスが光る絶望の瞬間と半固定式オービスを画像で見る(43枚)

 そして、もしそこにちょうど「オービス」があれば、ピカッと光らせることになります。

 今月、東名高速に新たに「半固定式オービス」が登場しました。また、福岡県の九州道や福岡都市高速環状線に設置中との情報も入りました。

 オービスは危険な場所などに設置されるので、その情報を把握しておくことは、安全運転や安全意識の向上に役立ちます。

半固定式オービスの本体入りの拠点(画像:オービスガイド)

 オービスとは速度違反を自動で取り締まる装置ですが、今そのオービスが大きな変革期にあります。

 オービスには大きく分けて固定式・移動式がありましたが、2021年に半固定式オービスなるものが突如登場したので、10年以上オービスの調査を続けてきた「オービスガイド」を運営する筆者(オービスガイド 大須賀克巳)も、斬新な発想に驚いたのを覚えています。

 半固定式オービスとは、固定式と移動式のメリットを合わせたような機器です。2021年4月に大阪府の阪神高速に登場した後、熊本県、長野県、茨城県、静岡県、福岡県と徐々にその数を増やしています。

 高速道路の路肩に、電源などを備えた四角い金網の拠点を3か所設置しておき、1台のオービス本体をその拠点間で不規則に移動させていきます。

 拠点はドライバーからは通過直前まで本体がセットされているのか判別が難しく、すべての拠点の近くで速度に気をつけるようになります。

 固定式オービスを3か所新設するよりコストパフォーマンスが高く、メンテナンス作業も効率的に行えます。

「移動式オービスの方が神出鬼没でさらに効果的は?」と思う人もいるかもしれませんが、移動式オービスは警察官が近くで監視する必要やバッテリーの問題もあるため運用時間が数時間に限られます。その点、半固定式オービスは24時間365日、悪天候でも動き続けます。

 さらに高速道路などでの取締りは警察官にとって危険を伴うので、無人にできるメリットは大きいと思われます。

 半固定式オービスはイタズラ対策として頑丈な金属製の金網に入れられ、さらに天井には監視カメラが備わっています。

 半固定式オービス手前には、通常のオービス同様、予告看板があります。

 実際の看板は「速度自動取締機設置路線」などと記載されたものが複数枚設置されていますが、今までの固定式オービスの看板と比べると、とても小さくスリムな形状をしているため、気がつかないドライバーもいるかもしれません。

 特に夜間はよほど路肩あたりを注意して見ていないと見落とす可能性があります。

 半固定式オービスが何キロオーバーで作動するのかについては、まだ「半固定式オービスに撮影されてしまいました」など経験者からの情報がなく、基本的に固定式オービスと同じく高速道路では制限速度プラス40km/h以上で撮影されるという説が有力です。

 ただし、半固定式オービス本体は、移動式オービスのLSM-310がベースとなっているため、簡単に対象速度を変更できます。

 よって、警察官が半固定式オービスの近くで監視していれば、青キップレベルでの違反も検挙される時代が今後来るかもしれません。ちなみにフラッシュは白色で、カラー撮影されます。

半固定式オービスの本体が移動する期間や順番に法則はある?

 SNSなどで「今日は○○に本体が入っていた」などの書き込みを見ることがあります。筆者はそれらの情報を日々チェックしているのですが、短い時は3日、長いと2週間以上同じ場所に設置されています。

 場所も3地点を順番に移動するのではなく、A地点からC地点へ行き、次にC地点からA地点へ戻り、たまにB地点へ移動したりと規則性は全くなさそうです。

 また、「今現在どこの拠点にオービス本体が設置されているか」について、基本的に情報は公開されておらず不明です。上記で述べたとおりSNSなどの情報をくまなくチェックすれば分かる場合もありますが、まだ半固定式オービスが認知されていないことや、本体がセットされているかどうかは、通過する瞬間によく見ないと判別できないことがあるため、あまり情報も多くありません。よって、半固定式オービスの拠点ではすべて本体が入っていると思って運転するべきといえるでしょう。

半固定式オービスの本体が空の拠点(画像:オービスガイド)

 一方、半固定式オービスはレーダーではなく、レーザーにより速度を計測しているため、最新のレーザー&レーダー探知器で探知は可能です。

 しかしレーザーは、間に植栽や他のクルマなどの障害物があると探知できなくなったり、探知機の位置などにより探知距離が変わってきたりするため確実とは言えません。とはいえ、アプリにせよ探知機にせよ正確で新しい登録情報を内蔵していれば、位置情報によりかなり手前からきちんと案内をするでしょう。

※ ※ ※

 半固定オービスのここ2年間の増え方を見ていると、これからもどんどん増えてゆくでしょう。

 今現在、6府県に3か所ずつの拠点と、オービス本体が1台ずつ配備されています。

 これから他の都道府県にも増えていくと同時に、導入済みの府県でも拠点の数が増えるかもしれません。

 例えばオービス本体が1台のままでも、県内に30か所の拠点が点在していたら効率良く広範囲で速度抑止ができそうです。

 ただし、都心の首都高速などでは非常駐車帯も狭く、多くの路線が高架上や地下にあるため、設置が難しいです。

 このような場所では従来の固定式オービスを新しく更新したり、移動式オービスを活用していくことになりそうです。

 2023年3月7日にも東名高速の現地調査をしましたが、その時は日中だったのと、工事による車線規制が多く行われていて全体的に速度が抑えられていたこともあり、ドライバーの中には目新しい半固定式オービスの拠点に気がつきブレーキランプを点灯させているクルマもいました。

 オービスは速度が出やすい場所や、事故の多い場所に設置されます。また、オービス付近では急ブレーキなど不自然な挙動をするクルマも多いので、特に適切な車間距離と慎重な運転が求められます。