攻撃を控え、大谷(右)と話す村上だが…

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 第5回WBC1次ラウンドB組の日本は10日の韓国戦(東京ドーム)を13―4の大差で制し、開幕2連勝を飾った。先発したダルビッシュ有投手(36=パドレス)は3回3失点(自責2)と課題を残したものの、打線はラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)に引っ張られる形で13安打と活性化してきた。しかし、4番を務める村上宗隆内野手(23=ヤクルト)は2試合で計7打数無安打4三振と牴稍△粒悪瓩如∨椹翩章晴箸琉棒孝夫氏は「打撃不振は深刻」と打順変更や休養の必要性を訴えた。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】大会前から「史上最強メンバー」との呼び声も高かった侍ジャパンが波に乗ってきた。中でも目立っているのがヌートバーだ。走攻守でチームをけん引し、明るいキャラクターでファンからも愛されている。この選手をメンバーに加えたことは、栗山監督の大ファインプレーだろう。

 頼みのダルビッシュが先制2ランを含む3回3失点と課題を残す結果となったが、これは日程的に調整が難しかったことが原因だろう。2月の宮崎合宿からグラウンド内外でチームの結束に貢献したものの、いかんせん実戦が不足していた。

 大リーガーは決まりで壮行試合に出場できなかったため、帰国後にまともに打者相手に投げたのは2日の中日との合同練習ぐらい。3回無死二塁からヤン・ウィジに左翼席へ放り込まれたスライダーはど真ん中にいった完全な失投だった。登板間隔が空き、気持ちばかりが高ぶってしまった影響も少なからずあったのではないか。課題は自覚しているだろうし、しっかり調整して次回登板では本来の力を見せつけてくれるに違いない。

 それより心配なのは村上だ。ここまで計7打数無安打。2戦連続スタメン出場した選手の中で、ただ一人、ヒットが出ていない。中国戦から合わせて4度の満塁機で、打点を挙げたのは押し出し四球と犠飛のみ。甘い球にもバットがピクリとも動かなかったり、まるで昨季終盤に55号本塁打を放ってから次の1本が出るまでに61打席を費やした時のようだ。

 原因はいくつか考えられる。一つは前を打つ大谷の打撃を誰よりも近いネクストバッターズサークルで見ていることだろう。一般のゴルファーでも自分より実力が上回る人とラウンドすると、いつも以上に力が入ってスコアを崩してしまうように、余計なことを考えてしまうもの。そんな状態に陥っているのではないか。それだったら「4番を外す」というのではなく「大谷から離す」というのも手だ。

 周りには各チームで4番を張っているような選手がゴロゴロいる。選手同士の仲の良さを考えれば、いろいろと意見を聞きすぎて頭の中がパニックになっているのかもしれない。こんな時こそ自分を信じて原点に戻るしかないのだが、それもできない状態なのだろう。

 これがペナントレースであれば、村上クラスの選手には監督もがまんする必要がある。しかし、WBCは日の丸を背負い、国の威信をかけた戦いだ。決勝まで進んだとして残り5試合しかない。大事なのは選手個々のプライドではなく、チームとして世界一になれるかどうか。栗山監督に悩んでいる時間はない。

 幸いにも本来は三塁手の岡本和に2安打と当たりが出てきた。山川を一塁に入れて村上を休ませる選択肢もある。7日のオリックスとの強化試合で逆方向の左越えに本塁打が飛び出し、これで大丈夫かと思ったが、その後の打撃内容を考えれば結果として爐泙阿貪たり瓩世辰拭3擇並能腓蚤任燭擦襪覆蝓休ませるなり、早急にメスを入れることが必要だ。(本紙評論家)