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むしろ「これからの50年」

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

レイズ(RAYS)は、大阪府東大阪市に本社を構える、アルミホイールの製造販売会社だ。創業は1973年だから、今年2023年で創業50周年を迎えることになる。

【画像】東京オートサロン2023 「RAYS」ブース【詳しく見る】 全18枚

東京オートサロンには、毎回かなり広大なスペースでホイールのラインナップをズラリと展示したり、また最新のホイールを装着したデモカーを何台も展示したりして、注目を集めている。


レイズ・ブースに展示されたフェアレディZ(RZ34)は、6本スポークの「57DR」がお似合い。    AUTOCAR JAPAN

今回は創業50周年を記念したスペシャルモデルでも登場するのではないかと期待して、同社の執行役員で企画部 部長の河西伸哉 氏に話を伺った。

だが、「残念ながら、創業50周年を記念した限定モデルとか、記念イベントをやるとかいう予定はありません。むしろ、いままでの50年よりも、これからの50年を見据えていきたいと思っています」と語る河西氏。

この50年で、ホイール業界にも多くのメーカーが参入し、そして消えていった会社もある。

また、クルマそのもののトレンドも変わってきた。

レイズ オールジャパンの思い

1990年代あたりから「ポスト セダン」が模索されるようになり、ミニバンやSUVがセダンを凌駕していく。スポーツカーは、マニアックな存在になりつつも存続しているが、スペシャリティカーはほとんど消え去った。

パワートレインも、ハイブリッドからピュアEVへと電動化の波が大きくなっている。車両重量の重いクルマが増えてくることで、アルミホイールに対する基準も厳しくなってくる。


SUVに電動車。2トンに迫る新車が多い昨今。ホイールに求められる要件も変わってきたと筆者。    AUTOCAR JAPAN

レイズでは、JWLやVIAといった国内の一般的な技術基準だけでなく、それよりも“厳しい独自の安全基準”や評価を定めて、ホイールを製造している。

そしてそこには、開発から製造まで、すべて日本国内で行う“オールジャパン”で手がけることによる安全・安心というものが、レイズの矜持でありセリングポイントであることを示している。

レイズといえば「ボルクレーシング」がもっとも代表的なブランドであるが、現在のレイズは、「グラムライツ」「ヴェルサス」「VMF」「ヴァルツ・ホージド」「ホムラ」「チーム・デイトナ」「A-ラップ」「TBR」と、9ブランドで展開している。

当初は、スポーツカーならボルクレーシング、4WDならチーム・デイトナ、といったような棲み分けもあったようだが、ユーザーの嗜好は単一的ではなく、いまではどんな車種でも好きなブランドのホイールが選べるようなラインナップを展開している。

それゆえ、ブランドだけでなくサイズやカラーなどを含めれば膨大な種類となるために、ユーザーへの製品供給が遅れ気味になっている点に頭を悩ませているという。

純正ホイールにない魅力を探す

だが、その膨大なラインナップによって、「免許を取ってから返納するまで、愛車にはずっとレイズのホイールを履いていた」というオーナーが増えてくれることを、レイズは目指している。

そもそも、国産車でも輸入車でも最近のクルマは、ある程度以上のグレードのモデルならアルミホイールを標準装着しているものが多い。また、純正のアルミホイールも数多く用意されている。


東京オートサロン2023のレイズ・ブース    AUTOCAR JAPAN

それでも、あえてアルミホイールを交換するというのは、クルマ好きにとってはドレスアップの第一歩であり、それはつまり純正にはないもの、純正とは違うものを求めているからに他ならない。

ディープリム、メッキ、インチアップといったアルミホイールは、かつては純正では選ぶことができなかった。だが現在では、純正で用意されているものも多い。

そうなると、ホイールメーカーとしては、新たな「替えた感」を得られるものを考えていかなければならない。

いままでの50年ではなく、これからの50年を見据えているというレイズは、50周年記念ではないとしても、そうした新たなトレンドを模索していることは間違いない。ホイール業界に、どんな新しい旋風を巻き起こすのか、今後のレイズの動きに注目していきたい。