義務兵役の期間延長 「とても憂鬱」 対象者から賛否の声 台湾=資料写真

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(台北中央社)台湾で2024年から満18歳以上の男子に義務付けている兵役期間が現行の4カ月から1年に延長されることが決まった。05年1月1日以降に出生した期間延長の対象者からは賛否両論の声が上がっている。

06年生まれの高校生、陳さんは中央社の記者に「とても憂欝(ゆううつ)だ」と打ち明ける。ただ、同級生との間で話題になることは多くなく「たぶん逃げられないから、どうでもいいと思っているのではないか」と語った。

また毎月の給与が、二等兵の場合は現行の6510台湾元(約2万8200円)から2万6307元(約11万4500円)に見直されることについては「何の魅力も感じない。兵役は自由を失うことと同じだから」。

07年生まれの高校生、蘇さんは「1年間は受け入れられる範囲だ」と話す。「4カ月はすぐに過ぎてしまう。1年間ならちゃんと訓練できると感じるだろう」とし、給与についても「大学を卒業したとしても安定して2万6000元が稼げるとは思えない」として歓迎する。

一方で、すでに兵役を終えた男性からもさまざまな意見が聞かれた。北部・桃園市の政府系研究機関、国家中山科学研究院で兵役に服していたという王さんは、月5000元(約2万1700円)の教育ローン返済を抱え、返済期間を延長せざるを得なかったと振り返る。北部・新北市にある実家に帰省する際には交通費の節約のためスクーターで移動したという。

南部出身の同期は帰省の交通費や生活費だけで6000元(約2万6000円)近くに達していたとし、給与額の見直しは「遅れた正義」と複雑な心境を吐露した。

北部・新竹県で兵役に就いていた梅さんは、平日は部隊の中で食事をすることから無駄遣いせず、除隊時には貯蓄もできるとし「急なときにも安心」と語った。

国防部(国防省)のシンクタンク、国防安全研究院の韓岡明研究員は、不景気で大学卒業後も就職は簡単ではないとし、給与の増額は入隊時の不満軽減につながるだろうとの見方を示した。

(游凱翔、范博媛、陳美澐/編集:齊藤啓介)