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内海哲也さん、西武に来てくれてありがとうございました!

ついにこの日が来たか…少しの寂しさを感じながらも、心は晴れやかでした。ちょうど折からの台風によって横殴りの雨が降りながらも、昼過ぎからは晴れ間を見せた関東地方の空模様のよう。9月19日、西武ドームで内海哲也さんの引退セレモニーが行なわれるとのことで、僕も現地に馳せ参じたのです。

心に去来する「獲ってしまって申し訳ありません」と詫び入る気持ちと、「獲らずにはいられませんでした。来てくれてありがとうございます」という感謝の気持ち。心持ちは複雑ですが、それもまた人生の巡り合わせです。今できるのは、なるべく今日を晴れがましく終えるよう努めることだけ。精一杯の感謝で内海さんを見送るつもりです。

↓「台風だから屋外球場は全部中止にしろ」の声を吹き飛ばして晴天です!



↓入場時には内海さんの応援ボードをいただきました!



↓内海さんプロデュース弁当は本日完売です!



それにしても大変なにぎわいです。それもそのはず、この日は属性が山盛りのやり過ぎデーでした。まず大前提としてシルバーウィークの3連休という絶好のお出掛け日和です。そして、野球ファン必見の内海さん引退セレモニーがあります。さらにアニメ「ヤマノススメ Next Summit」とのコラボで声優の小倉唯さん&岩井映美里さんが来場します。さらにさらに「アダストリアDAY」と銘打ってアパレルブランドのイベントがあったり、余った獅子女ユニフォームを中途半端な枚数で配布したりと、集客施策がこれでもかと重なっていたのです。

最近はガラガラモードが発動していた西武ドームですが、これだけ属性を盛りつければお客の心にも響きます。聞けばこの日はチケット完売だとのこと。うむ、球団側も内海さんを満場の大観衆によって送り出すために、できる限りの手を打ったようですね。優勝争いやCS争いについても「事実上終わったな」という手応えがありつつも数字上はまだ終わっていないというちょうどいい具合で、素晴らしい引退セレモニーの舞台が整いました。本気の熱気を漂わせつつ、引退セレモニーの「粋な計らい」に集中できそうな感触です。

↓この日の先発はもちろん内海哲也さん!




↓内海さんはブルペンの仲間に労われつつマウンドへ向かいます!



鳴り響く「PRIDE」のテーマ。内海さんはいつも通り、グラウンドに一礼、マウンドに一礼したのち、バックスクリーンを見つめていました。キャッチャーのサインに首を振りつつ投じたボールはすべて真っ直ぐ。球速こそ控えめですがチカラのこもったナイスボールです。相手の楽天もCS進出をかけて西武と争っている立場ですので、三振してあげられるほどの余裕はないわけですが、そういう相手だからこそ「いまだ戦力」である内海さんの節目の登板にふさわしいなと思います。

5球を投げ込むと、最後は相手をセカンドゴロに仕留めて、内海さんは節目のアウトを取りました。内野陣、外野陣がマウンドに集まって内海さんを労い、巨人でもお世話になった豊田コーチと抱擁して内海さんはマウンドを降りました。ベンチに戻った内海さんの目は少し潤んでいるようにも見えました。もっと見ていたかった、もっと投げてほしかった、今日はいけるところまで内海さんでいいんじゃないか。そんな話し声がアチコチから聞こえてきました。僕もまったくそう思います。勝負を捨てるわけではないからこそ、内海さんの投球をもっと見ていたかった。もしも今日、内海さんが魂の投球で勝利をつかむようなことでもあれば、それは10勝ぶんもの勇気となっただろうに……そんなことを思いながら。まっこと惜しい、惜しまれる引退です。

↓内海さんの美しいワインドアップ!

満員の場内は、巨人ファンさえも集まって温かい空気で満たされています。内海さんも素晴らしい投球で先発のつとめを果たしました。あとはここに勝利を添えて、美しく仕上げたいと思うのは人情です。もはや優勝のためとかCS進出のためという気持ちは半分くらいなのですが(※優勝はしないと思います/CSは出て負けるのと負けて出ないのとでどっちがダメージが少ないかを検討中)、内海さんのために今日ぐらいは勝利を捧げたいと思う気持ちが燃え上がっていました。むしろそれこそが、選手たちにとってもプロとして燃えるべき「理由」だろうとさえ思います。

しかし、まぁ、なかなかの有様。守備では「挟殺プレーで二塁に悪送球して進塁を許す」「バント処理で悪送球してオールセーフ」「完全にアウトのタイミングなのに一塁ベースを踏み損ねてセーフにする」などの守乱が連発。打つほうでも基本的に打ちよらないうえに内容も淡泊で、攻撃時間の短いこと短いこと。楽天側もこちらはこちらでなかなかの有様で、「満塁」「一・三塁」「満塁」「二・三塁」を無得点で終えるという残塁の山を築いて3回終了時点で打者2巡するなど打線ガチャをぶん回しています。「うへー、どっちもどっち」「4位争いにふさわしい体たらく」「長くなりそうなんで内海さんのセレモニーを先にやりません?」と先行きが思いやられてきます。

互角の勝負(※良く言えば)は終盤までつづきます。7回表に楽天が二死一・二塁から2点タイムリーを放って試合を決めたかと思えば、西武も7回裏に2者連続のホームランで2点を取るという非効率的な猛反撃を見せて再び詰め寄る。楽天が9回に守護神・松井裕樹さんを投入して試合を終わらせにかかれば、西武は森友哉さんの3塁打による無死三塁のチャンスに犠牲フライで逆転しない程度の猛反撃。内海さんのセレモニーだけを見に来た巨人ファンにとっては、どうでもいい前座が果てしなくつづく泥仕合に見えたことでしょう。

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そして迎えた延長11回表、西武は増田達至さんをマウンドに送ります。増田さんは10回表にもマウンドにあがっており、いわゆる「回跨ぎ」というヤツでした。本来であれば守護神である増田さんが回跨ぎなどすることはないのですが、西武ベンチにはピンチが起きていました。この日、ベンチ入りした投手は先発の内海さんを含めて10人。それが小刻みな継投と、わずか2球で2点を失って引っ込められた投手がいたことで、どんどんカードを使ってしまい、延長10回開始の時点では増田達至さんと本田圭佑さんの2名しか投手が残っていなかったのです。つまり「もし延長12回までやることになった場合、どちらかは絶対に回跨ぎをしないといけない」という状況だったのです。

おそらく西武ベンチは9回で試合が終わると思っていたのでしょう。この日の投手陣は内海さんリスペクトという意味合いで、全員「内海さんの歴代の登場曲」を用いてマウンドにあがっていました(※主に仮面ライダーの曲)。そうなればどこかで内海さんのメインテーマである「PRIDE」のテーマを流すだろうと察しがつくわけですが、それを9回表に登板した水上由伸さんが使用したのです。この時点で西武は1点ビハインドで9回裏の攻撃を残すのみであり、そこには楽天の守護神・松井さんが出てくるであろうから、まず打てないだろうという計算のもと、「最後の投手はPRIDEで」という粋な計らいを9回表に繰り出したのでしょう。

まさしく粋な計らいだったなと思います。

ただ、計算違いで、同点になっちゃった。

負けでもサヨナラ勝ちでもなく、延長になっちゃった。

終わるはずの試合が終わらなくて、投手が足りなくなっちゃった。

そんなこんなで回跨ぎをすることになった増田さんですので、ホームランを含めて2点を失ったとしても、これはもう責められません。もちろん11回表に最後の投手をつぎ込んで11回裏に賭けるという手もありましたが、それは結果論です。打線も打てないなりに延長に持ち込みましたので、よく頑張りました。内海さんを「1人限定の先発投手」として起用した粋な計らいがこういう事態を生んだのだとすれば、それはもう望むところ。内海さんに勝利を捧げられなかったのは残念ですが「できる限りを尽くしてなおチカラ及ばず」ですので致し方ありません。あえて言うなら、内海さんを1人限定ではなく、2回でも3回でも投げさせる「超粋な計らい」があったらな……ということぐらい。もしそれがあったなら、投手の枚数は足りて、打線はさらに燃え上がって、美しい勝利があったんじゃないかなと、そう思いますね!

↓残念ながら試合には負けましたが、引退セレモニーのお時間です!





↓引退セレモニーでは各方面から労いの言葉をいただきました!



↓高橋由伸さん、堀内恒夫さんらから花束の贈呈!





↓愛する子どもたちからの花束贈呈では場内ももらい泣き!



↓そして、内海さんの引退のごあいさつへ!



内海さんのあいさつは、たくさんの人への感謝にあふれていました。ただ名前を並べてお礼を言うテンプレ的なものではなく、自身の野球人生を振り返ったときに、関わってくれたたくさんの人の支えが思い出され、自分が得た成長を感じ、そのひとつひとつに感謝するなかで出てくる名前が自然と多くなった…そんな格好のものでした。

そのなかには、意地悪な見方をすれば「こうなった原因」でもある炭谷銀仁朗さんの名前も含まれていました。炭谷さんの移籍がきっかけで西武に来ることになったことについて、嫌味ではなく心のこもった話しぶりで「素晴らしい経験をすることができました」と内海さんは感謝を述べていました。あいさつのあとでは楽天ベンチに向かい、セレモニーまで残っていた炭谷さんと握手を交わしました。何と気持ちがよく、何と敬意を抱かせる選手であることか。

西武に移籍してわずかな年数でありながら、これほどファンの心をつかんでしまう内海哲也という選手、そして人物。本来であれば東京ドームで華やかに引退すべき選手だったと思いますが、西武なりにできる限りのお見送りができていたらいいなと思います。このセレモニーしかり。巨人時代の足跡も加えて、ジャイアンツファンにも手にしてもらえるようにした引退グッズしかり。この日の勝てないまでも何とかしようと粘った延長戦しかり。少しでも、内海さんの本来あるべき引退にできていたらいいなと思います。

内海さんからは「最後の最後まで自分も準備します」と、引きつづき戦力として頑張るという頼もしい言葉ももらいました。もしかしたらファンやベンチにうっすらと漂う「事実上終わったな」というしょっぱい空気を払拭しようとしてくれたのかもしれません。何とか、もう1試合でも2試合でも、投げる機会を作れたらいいなと思います。そのためならば「終わったな」という諦めを撤回して、燃えることもできるかもしれないなと思います。そうできたら、内海さんの引退を少しでもいいものにできるのではないかと思います。巨人ならばきっと「内海さんのために」と燃えたでしょうから。燃えて見送られる、そういう選手だったでしょうから。理性は事実上の終戦を感じてはいますが、何とか「内海さんのために」もうひと頑張りしていきたいものですね!

↓あいさつを終えた内海さんは場内を一周!



↓内海さんシャツで待つチームメイトと労いの握手!



↓内海さんを一同で胴上げしました!



↓「巨人のエース」を、最後までできる限りを尽くして西武がお見送りさせていただきます!



↓内海さんのあいさつや炭谷さんとの握手など、この日の現地の模様は動画でまとめておきました!


お疲れ様でした内海さん!

西武に来てくれたことに感謝します!

何とかもう一度、頼る機会を作れるように努めます!



そして、今後は「相手の宝は獲らない」という自制心を持つように努めます!