この状況が、プーチンの焦りでもあるわけです。ですから、例えば、欧州や日本に一次産品を売らなくなっても、中国に売れればいいと考えている人もたくさんいますが、事はそう簡単ではないということです。

 実は、中国への依存を高めてくことの怖さを一番知っているのは、プーチンです。

 一方、中国も手招きしながらも、そんなお人好しの国ではないですから、状況の推移をじっと窺っている。そして、ウクライナと中国は同盟関係にあるということをわれわれは忘れてはいけない。

 そういう微妙な力学が働いているということで全体を見ると、ロシアの孤立という実体があぶり出されてきます。

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てらしま・じつろう
1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。同年三井物産入社。米国三井物産ワシントン事務所所長や三井物産業務部総合情報室長などを歴任し、99年三井物産戦略研究所所長。2003年三井物産執行役員、06年常務執行役員、09年三井物産戦略研究所会長。10年早稲田大学名誉博士学位。現在は多摩大学学長(09年~)、一般社団法人寺島文庫代表理事(14年~)、一般財団法人日本総合研究所会長(16年~)などを務める。