Studio Displayはどれを選ぶべき?実は全Macユーザーにおすすめできる製品だった(本田雅一)

Appleの新型ディスプレイ「Studio Display」は、単なるディスプレイを超えてさまざまな体験価値をあらゆるMacに提供する製品だ。

実のところ2022年春に発表されたApple製品の中で、Studio DisplayはMac Studioの名脇役ぐらいの位置付けで捉えていた。しかし実際に製品に触れ、使い始めてみると、Studio Displayはほとんど全てのMacユーザーにとって重要な製品であることがわかってきた。

なぜなら、macOS Montereyが動作するMacであれば、例外なくそのすべてが14インチ、16インチの最新MacBook Proと同等、あるいはそれ以上の内蔵カメラ、マイク、スピーカーを(27インチ5K液晶ディスプレイにプラスして)得て、さらには色温度を鑑賞環境に合わせて最適化するTrue Tone、適切な明るさに調整される自動輝度調整など、最新のMacが当たり前に備えている機能をThunderbolt 3ケーブルを通じて利用できるからだ。

例えば14インチMacBook Proをデスクトップ的に(デスクトップ用キーボードとマウス、トラックパッド、それに大型ディスプレイをつないで)使う場合、Touch ID、高画質なカメラ、高音質なマイクとキーボードが利用できなくなっていた。

しかし、Touch ID搭載Magic KeyboardとStudio Displayを用意すれば、MacBook Proを直接操作しているのと同じ体験が得られる。体験レベルを落とさず、”使っているうちに劣化、故障しやすい”要素があるキーボードがセパレート化できるのもStudio DisplayをMacユーザーに薦める理由になる。

……と、ついついStudio Displayに対する語りが熱くなってしまったが、そんなStudio Displayには4つのバリエーションがある。

表面ガラスとスタンドの違いでバリエーション

Studio Displayには表面ガラスの処理とスタンドの違いによりバリエーションが用意されている。

表面ガラスは標準ガラスとNano-textureガラスがあり、Nano-textureガラスはPro Display XDRから採用されているナノテクスチャが施されたもので、iMacの27インチモデルにも採用されていた。ちなみにナノテクスチャとは、ナノメートルレベルの微細な表面凹凸処理加工のことだ。

”テクスチャ”とあるようにコーティング処理ではないため、剥がれなどによる劣化がないが、その効果を失わないために専用のマイクロファイバークロスでのメンテナンスが推奨されている。

いわば”ものすごく細かいすりガラス”なのだが、写り込みをほとんど感じない一方、細かなテクスチャのため5Kディスプレイの精細感を損なわない。明るい部屋で使う際に特に良好な見え味を実現しているが、通常ガラスに比べて4万3000円高価な選択肢となる。

では標準ガラスは映り込みが激しいかといえば、実は標準ガラスに施されている反射防止コーティングもかなり高品位だ。反射防止コーティングは、反射を防止する光の周波数ごとに複数のコーティング処理が施されるため、反射率を下げようとするほどコストが上がる。

Studio Displayの標準ガラスは1.8%の反射率とのことだが、一般的な反射防止コーティングは3.5〜4%、そのおおよそ半分という優秀さだ。光を拡散させないため、映り込む像の輪郭がはっきりとしてしまうのが弱点と言えるだろう。

個人的にはナノテクスチャは価格に見合う以上の利点があると思うが、単純な色純度だけで言えば、標準ガラスの方が良いと感じる人もいるかもしれない。そしてもう一つの選択肢がディスプレイスタンドだ。

Pro Display XDRで話題になったスタンドが安価に選択可能

ディスプレイスタンドは傾きだけが調整できる(iMac 24インチと同様のヒンジを持つ)標準スタンドと、VESA規格互換スタンド/ディスプレイアームに装着可能なVESAマウントアダプタが追加料金なしで選択可能だ。

そしてさらにPro Display XDR発売時に11万7480円という価格が話題になった高さ調整機能付きスタンド(PRO Stand)と同様の機構を採用したスタンドが+4万4000円で選べる。

このスタンドは6000シリーズのアルミ合金が採用され、精緻で軽快なチルト動作を実現している。サイズが異なるとはいえ、元の価格を考えれば随分と安くなったものだ。

2か所のヒンジはそれぞれ逆方向に回転・連動する仕組みになっており、Studio Display本体の重さとバランスが取れるようにトルクもかかる。実際に動かしてみると、遊びのない操作感に驚かされるはずだ。なお、もっとも低い位置にセットした時にもMac Studioに当たらないようになっていた。

この2つの選択肢いかんで、もっとも安価な組み合わせともっとも高価な組み合わせでは8万7000円もの違いが出ることになる。

なお、このディスプレイにはA13 Bionicチップが内蔵され、iOS 15.4のもとで動作しているだけではなく、64GBのフラッシュストレージが搭載されていることもわかっている。このうち使われているのは僅かに2GB。すなわちこの部分だけを見れば、第9世代iPadよりも高性能かつ、搭載フラッシュストレージも多いことになる。

一方でThunderbolt 3を経由してのアップデートには対応するものの、Studio Displayを単体のコンピュータとして動作する計画はない。

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