「野村グローバルAI関連株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」の運用を担当している野村アセットマネジメントのシニア・インベストメント・オフィサー(グローバル株式)の中山貴裕氏(写真)に運用のポイントについて聞いた。

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 「野村グローバルAI関連株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」は、2017年2月の設定から4年半余りの運用が経過し、設定来の騰落率は2021年9月末時点で113.12%と、2倍以上に値上がりした。高い運用成績の背景には、同ファンドが着目する「AI(人工知能)関連株式」の高い成長があることは当然だが、それら関連企業群を選別し、ファンドにしっかりと組み入れる運用担当者の目利きの力も優れていた結果といえる。同ファンドの運用を担当している野村アセットマネジメントのシニア・インベストメント・オフィサー(グローバル株式)の中山貴裕氏(写真)に運用のポイントについて聞いた。

 ――AI関連株式をどのような視点で選んでいるのでしょうか?

 AIの活用について3つの柱を立てています。「IT関連(フィンテック、ソフトウェア、セキュリティなど)」をメインとして、「産業関連(IoT、ロボット、自動運転など)」、「医療・ヘルスケア関連(新薬、機器、新治療法開発など)」です。このような注目分野は、「AIが広く活用される」という点が、私どもが注目しているポイントです。決して「AI」イコール「ITセクター」ではないということが当ファンドの特徴です。

 何か特定の分野や技術の成長に仮定を置くようなことをせず、いかにAIを使って、企業が成長しているかということを、幅広い関連企業調査によって探し出し、どれだけたくさんの成功例を収集するかというところに、当ファンドの独自性があります。

 ――グローバルなテーマ型ファンドは、グローバルに運用調査拠点を張り巡らせている大手の運用会社が実際の運用を引き受けているケースが多いのですが、このファンドは、野村アセットが自ら運用しています。野村アセットのグローバル株式運用の強みや、AI関連の調査の特徴は?

 当社は、日本株式の運用であれば、世界トップクラスのリサーチ体制や運用経験などと自信をもって申し上げるところですが、グローバル株式の領域でいうと、グローバル大手と比べて運用拠点の数やアナリストの人数などは小規模です。だからこそ、当社では、独自性が出せる領域に注力しています。

 東京のグローバル株式運用チームは、グロース(成長株投資)系の運用戦略に特化し、このファンドを作る基になった「野村未来トレンド発見ファンド」を運用しています。マルチに様々な成長テーマを探して投資するファンドですが、その中から「AI」をスピンアウトして生まれたのが「野村グローバルAI関連株式ファンド」です。

 「野村未来トレンド発見ファンド」は、テーマごとに担当マネージャーがいます。そこから「AI」だけを取り出してこのファンドを作る時に、例えば「高齢化社会」、「消費の多様化」など、あるいは、一見するとAIと全く関係ない「教育/働き方改革」なども含めて、テーマ担当のマネージャーに、担当するテーマ関連銘柄に対して、「AI」関連情報がある場合はフラグを立てるようにしてきました。

 4年余りにあたって、丁寧に調査活動を実施してきた結果、グローバル企業の間で、AIを活用している企業が、かなり広範囲につかめるようになりました。このような広がりのある動きは、テクノロジーだけを見ている調査チームにはできない当社独自のアプローチだと思います。

 ――設定以来、順調に成績を残してきましたが、残念ながらここ1年は、運用成績が市場平均を下回っています。AI関連の成長に変調があったのでしょうか?

 過去1年の株式市場では、AI関連に限らずコロナ・ショックの影響を大きく受けました。ロックダウン等によって需要が大幅に減少した業種(例えば飲食、レジャーなど)は需要急減後に現在では回復基調に戻っています。逆にテクノロジー関連では例えばリモートワークの急拡大などにより、コロナ前には今後数年かけて期待されていた成長を数か月で達成してしまうような企業も多くありました。これらの企業は、前年比較では成長率が低下したように見えます。