リスク過多の今に新しい保険業!【東京海上HD・小宮暁】の「顧客の『いざ』を支えるソリューションを!」
加えて、日本は台風や水害などの自然災害大国。異常気象などの要因もあって、自然災害は年々増加。顧客と保険契約を通して交わした約束(補償)を迅速に、かつ円満に実行していくためには一層の経営基盤の強化が求められるようになった。
災害、特に自然災害は突発的に発生する。そうしたリスクを軽減させる手立てをどう取るべきか─。その1つの解が、「事業の地理的分散」であった。
こうして、日・米・欧を主軸に、46カ国・地域で事業を展開するというグローバル体制を築き上げてきたという経緯。業績に占める海外の比率は、売上高で40%弱、利益面では40数%になる。
同社は、2021年度を起点にした3カ年の新中期経営計画を推進中。
今回の中期経営計画の定量的目標は、最終年度の23年度末に修正純利益5000億円、修正株主資本利益率(ROE)12%というもの(ちなみに2021年3月期は修正純利益4460億円、修正ROEは11・5%)。
「新中期経営計画については、それぞれ一生懸命取り組んでもらっていますが、日本のマーケットは利益ベースで、年5、6%で伸びていって欲しいし、海外のビジネスは年9%弱、1桁台の後半ぐらいで伸びるとすると、この3年計画のどこかのタイミングで海外の利益が5割を超えます」
グループの〝統治〟も新しいステージへ
海外比率が5割を超えようとする今、そのグループマネジメントも、「もう一段ギアチェンジしていく」と小宮氏は語り、「いろいろなコーポレート機能についての機能の強化ですとか、グローバル化みたいなことを果たしていかなくてはいけない所に来ている」という認識を示す。
「例えばサイバー保険のヘッドというのは、今、ロンドンにいるわけですね。資産運用のヘッドは日本にもいますけど、共同総括でニューヨークにもいます」
今は、海外事業総括を日本に置いているし、共同総括としての責任者が米国にもいる。
また、『アクチュアリー』といって、確率・統計などの手法を用いて、不確実性の分析や評価などを行う専門職のヘッドはニューヨークにいるなど、〝分散〟化している。
ビジネスリスクの分散を図る─ということで、M&Aを進めてきたわけだが、それは〝本社機能の分散〟にもつながってきた。利益面で海外比率が5割を超えるのが間近な今、コーポレート・ガバナンス(統治)も新しい局面を迎えたという小宮氏の認識。では、どう手を打っていくのか。
「やはり、グループの中で最も専門性を持っている人間に、グループ全体の政策をリードしてもらうというのが基本的な考え方です」と小宮氏。
責任体制を今一度、明確にしてグループ全体のコーポレート機能を強化しようという考え。
多様性の化学反応で
「多様性は、成長戦略の一丁目一番地」─。小宮氏は新中期経営計画で、「新しいアプローチ、新しいマーケット、新しい事業を作っていく」と謳い、その際、キーワードとして『多様性』を挙げる。
「多様性の化学反応みたいなことが必要です。その多様性の中で良い仮説を作っていく。仮説が出来たら、スピード感をもって実行に移す。それがうまくいった場合に速い展開をしていく。うまく行かなかったら、『さあ、また次に行くぞ』という、この動きを速くしていく」
こうした考えの下、小宮氏は『D&I(Diversity and Inclusion、ダイバーシティとインクルージョン)』という名の政策を揚げる。
