それ以外で注目すべきは、やはり米国のアフガニスタン作戦終了です。タリバン政権がどんな国家建設をするのか注目されるところですが、ドル相場に大きく影響を与えるファクトではなさそうです。ただ、米国の国際的権威の失墜に繋がり、長期的には米国経済に悪影響があるかもしれません。

 ――9月の各通貨の予想レンジは……? 

 短期的にはドルの上値が重い展開にはなると思いますが、ジャクソンホール会議の結果を受けて利上げを急がないことが確認され、株や債券が上昇し、金利のつかない「金」や原油価格なども上昇しています。9月の予想レンジとしては次のようになると考えています。

●ドル円・・1ドル=108円50銭−111円 
●ユーロ円・・1ユーロ=128円−132円 
●ユーロドル・・1ユーロ=1.1650ドル−1.19ドル 
●英国ポンド円・・1ポンド=149円−153円 
●豪ドル円・・1豪ドル=79円−81円 50銭

 ――9月相場で注意する点を教えてください。 

 現在のドル円相場は、1ドル=109円から111円の固定レンジの状態になっているといっていいと思います。ドルの高止まり相場が続いており、この固定レンジを抜けていくきっかけになるものが見当たりません。しばらくは、このレンジの中でトレードするしかないのかもしれません。

 幅の狭いレンジの中でFX投資をするには、例えば1ドル=110円台のどこかで売って、下がったら買い戻す。ただし、111円台まで続伸するようだったら損切りを確実に入れる・・・。こうしたトレードを繰り返して、細かく利益を積み重ねていく。そんな投資法になるかと思います。

 とは言え、最近になって投機筋のドル買いポジションが約91億ドル(約1兆円)にも膨らんでいる、といった報道がありました。1年半ぶりの高水準だそうですが、何らかのきっかけでポジション整理が始まれば、ドルが売られて急速な円高が始まるかもしれません。現在のような狭いレンジで動く相場の時こそ、過去には大きな暴落があり、思わぬレンジで動くケースもあります。独りよがりの判断を避けて、市場全体を見ながら相場と付き合っていくことが大切です。(文責:モーニングスター編集部)