へずまりゅう(本人のツイッターより) ※編集部注:一部加工しています

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 YouTuberは、いつからこんなにも「質」を落としてしまったのかーー。

【写真】坊主頭で痩せていた、高校生時代のへずまりゅう

 子どものなりたい職業ランキングでも上位の常連で、本来なら視聴者を楽しませてくれるはずのYouTuber。だが、ここ最近、お騒がせYouTuberによる“悪い話”が目立つようになった。

一部YouTuberのせいで…

 例えば、未だ騒動が収まらぬ、人気YouTuber・ワタナベマホトの一件。彼は未成年の女性に対しわいせつ写真を送るように要求したことが明らかに。しかもそれが発覚したのは、元欅坂46で女優の今泉佑唯との結婚、そして今泉の妊娠が報じられた翌日という、最悪のタイミングだった。

「ワタナベマホトさんは、以前にも問題を起こしており、2019年に酒に酔った状態で、同居中の女性に全治2週間のケガを負わせたとして、傷害容疑で逮捕されています。そんな過去もあったため、結婚と今泉さんの妊娠が発表されると、ファンからは祝福どころか心配の声が相次ぎました。今回はお相手が元アイドルということだったので、ワイドショーでも取り上げられるなど、芸能界も巻き込んだ大きな騒動となりました」(スポーツ紙芸能記者)

 ワタナベはその後、大手YouTuber事務所『UUUM』から解雇され、「YouTube のコミュニティガイドラインに違反していた」という理由で、27日にはYouTubeアカウントの停止処分が下されている。

 もちろん、中にはきちんとルールを守って、純粋に視聴者を楽しませるYouTuberも存在する。むしろそれが本来あるべき姿。だが、一部のYouTuberのせいで「YouTuber」そのものの評価がガタ落ち。そんな影響もあり、YouTuberの存在自体に “アレルギー反応”を示す人たちも少なくない。

 そんな中でもお騒がせYouTuberと言えば、「へずまりゅう」が記憶に新しい。

「へずまりゅうは、昨年5月、愛知県・岡崎市のスーパーの店内で会計前の刺身を食べる動画を投稿して、窃盗容疑で逮捕されました。挙句の果てに新型コロナの感染を自覚しながら各地へと移動し、コロナを撒き散らすという最悪な結果を招いた。彼の一件で、“迷惑系YouTuber”の存在が一気に知られるようになったんですが、多くのYouTuberにとっても迷惑な話。中には迷惑系YouTuberはYouTuberじゃない! なんて声も」(前出・スポーツ紙芸能記者)

YouTuberのお金事情

 また、へずまりゅうは商品に言いがかりをつけて返品を迫る動画を撮影、投稿したとして威力業務妨害と信用毀損の罪で在宅起訴もされている。

 そういった迷惑系はこれまでにも問題視されてきた。例えば“白い粉”が入った袋を交番前にわざと落として走り去り警察官に追跡させたYouTuber、渋谷のスクランブル交差点にベッドを置いて寝たYouTuber、中にはお墓の上に登って騒ぎ出すとんでもないYouTuberも……。

 こういった一部の人物による行為が「YouTuberの質」を落としているが、そもそも人としての本質を疑ってしまうようなYouTuberが生まれてしまう背景には何があるのか。

「『人としてどうなの?』というYouTuberが生まれてしまうのではなく、我々の中に人としてどうかと思う人が存在しており、その人がたまたまYouTuberになったため、表面化したのが実情です」

 そう話すのは、炎上について詳しいITジャーナリストの篠原修司さん。確かにYouTubeに関係なく迷惑行為をする人たちは他にもたくさん存在する。だが、そんな中でもYouTuberはほとんどが“顔出し”、迷惑行為をするにはそれなりのリスクもある。

 それでもなお、悪質な行動に走ってしまう根底には、やはり「有名になりたい」という気持ちが大きいという。そんな迷惑系YouTuberはいつごろから目立ち始めたのだろう。

「2015年に起きた“つまようじ少年事件”でしょうか。少年がお店の商品につまようじを刺して穴を開けるという迷惑行為をした事件です。犯人の少年は警察の捜査の手から逃げ、その間も逃走動画を公開するなどして注目を集めようとし続けました。“有名になりたい”という欲望に負けた結果、少年が自分で自分の人生を狂わせてしまった悲しい事件です。

 あと迷惑行為に走ってしまうのには、“注目を浴びてお金儲けしたい”というのも大きな理由。ただ、その行き着く先は、やりすぎによる逮捕です。その時点で金儲けはできなくなります。有名になれたとしても悪名は消せません。ゴールがないためメリットもない。それに気づけない人が迷惑系YouTuberになるんだと思います」(篠原さん、以下同)

 実際、再生回数が多くなるほど“稼げる”“有名になれる”わけで、YouTuberが再生回数を伸ばすために躍起になるのには無理もない。

 いくらくらい稼げるものなのだろう。

「一般的には1再生あたり0.1円と言われていますが、これは古い情報。単価は季節によって異なり、1再生あたり0.2〜0.3円で変化します。たとえば12月や3月は年末、年度末の予算消化のため1再生あたりの単価が高くなる。ただ、これも公開する動画のジャンルや長さによって異なるため、一概にこの数値に収まるとは言えませんが」

 超人気YouTuberともなれば年収何千万円も夢じゃない。“億越え”も存在するというから驚きだ。

警察沙汰で即“BAN”

 だが、犯罪などどんな手法を使ってでも再生回数を稼ごうとされたら、たまったもんじゃない。YouTubeサイドによる規則や罰則はないのだろうか。

「私が見ている限りでは、警察沙汰になるとチャンネルがBAN(チャンネルの停止・削除)されています。通常は3ストライク制。一定期間内で3回規約に違反するとBANするのですが、警察沙汰となった場合は即座にBANとなる傾向が。利用規約には、“YouTube、ユーザー、もしくは第三者に損害を及ぼす可能性がある”場合には、コンテンツを削除すると明記されており、これが適用されていると思われます」

 また、YouTubeの「広告に適したコンテンツのガイドライン」によれば、『不当に炎上を招く、扇動する、または他者を侮辱するコンテンツは広告掲載に適していない』とし、広告が掲載されなくなるといった対策も取られている。

 YouTuberの本質が問われる中で、今後求められる対策はーー。

「迷惑系YouTuberの場合は、もう警察に頼るしかないでしょう。防ごうとしても、一方的に迷惑行為をしてくるわけですから、警察に頼るしかありません。自分たちでなんとかしようとするには、こちらにも危険が降りかかる可能性があり、リスクもあります」

 また、冒頭のワタナベマホトの件については、「防ぐことができたかもしれない」との見解も。

「保護者がネットの怖さについて教育し、見守ることで防げた可能性があります。ましてや裸の写真を送ってしまうとどんなことになるのか、それが犯罪に繋がるリスクを知っていれば、要求された時点で親に相談できていたかもしれません。

 YouTubeは多くの子どもたちも見ています。子どもたちは、まだ自己判断能力に欠ける。ネットとの関わり方や、リスクについて教えていくことも、これからの課題だと思います」

 YouTuberは見ている人がいなければ、成立しない。炎上系の動画も面白がって見てしまえば彼らの思うツボだし、場合によっては見ている側が彼らを“調子に乗らせて”しまうこともある。

 見る見ないを判断するのは我々。YouTuberの本質とともに、「見ている我々の本質」も問われはじめているのかもしれない。