栃木県内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてから来月で1年を迎えます。ウイルスとの長い闘いに疲弊し、店を閉める飲食店が増えつつある中、25年の歴史に幕を閉じた真岡市の焼き肉店を取材しました。

真岡市にある「真岡闇市」は、松坂牛をまるごと1頭仕入れることで希少な部位まで幅広く提供できることが売りの焼肉店でした。

レストランとして開業してから合わせて25年間、地元のみならず県外からも多くの客が訪れる人気店として愛されてきましたが、1月6日に店を閉めました。

店主の鶴見さん:「1回目の大きなダメージは去年4月で、売上が3分の1に減った。4月はどう対応していいか分からない状態だった」

店主の鶴見義治さんはコロナ禍に対応するため、国の補助金などを活用しながらドライブスルーの機材を整備したりテイクアウトメニューに力を入れるなど奔走を続けてきました。

その甲斐あって9月には売り上げが前の年と同じ水準まで回復したものの、この冬に第3波が襲来、緊急事態宣言が再び発出されました。

店主の鶴見さん:「電気代などの最低限かかかる経費をランチだけで拾えない」

100席を超える広い店舗を営業するには20人ほどのスタッフが必要で、食材の仕入れを除いても月に200万円以上の費用がかかります。

店主の鶴見さん:「また4月みたいになったら迷惑かけてしまう」

苦渋の決断でしたが、鶴見さんは売り上げが出ている今のうちに店を畳むことにしました。

県内では去年1年間で20を超える企業が、コロナに関連した破綻に追い込まれています。

破綻には含まれないものの自ら店を畳む飲食店はこれから増えることが予想され、この長い冬を越せるかどうか、地域の名店でさえ春を迎えられるか分かりません。

店主の鶴見さん:「悔しいがこれまでに感謝。若い経営者はあきらめず頑張ってほしい」