■テレワークで見直したい通勤定期の買い方

交通費はどう削減するのか。外出自粛の影響で、自然に減っている可能性が高い項目ではあるのだが……。前出の家計の節約に詳しいファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏はこう解説する。

需給のバランスが崩れ、品薄になっている店舗もあるのでこまめにチェックしたい。

「通勤定期の買い方についてはこれから慎重になったほうがいいですね。テレワークに舵を切らざるをえなくなったことで、出勤する日数は減少するケースが増えてきます。6カ月定期を購入していた場合、出勤が減少するなら解約を考えたほうがいいかもしれません。1カ月定期も少なくとも15日くらいは出社しないと元が取れないため(鉄道会社によって異なる)、定期より回数券のほうが効率がよくなる可能性もある。少なくとも損にはならないよう注意を払いたいところです」

新型コロナウイルスの影響は生活に思わぬ変化をもたらしつつある。

例えば、自動車代。少し前までは「自家用車を手放し、必要なときだけカーシェアリングやタクシーを使う」という節約方法が定番だった。駐車場代やガソリン代、車検費用などの維持費を考えれば、依然としてそのほうが割安なのは確かだが、「感染リスクを考えると、カーシェアリングやタクシーの利用がためらわれる」という別の要素が浮上した。

「カーシェアリングやタクシーに切り替えるかどうかは確かに節約につながるものの、今は焦って決めなくてもいいように思います。新型コロナウイルスの動向を見ながら、収束のメドがついたタイミングで改めて考えてもいい」

■航空会社の株主優待券も、見たことのないような価格

こうした流動的な状況下で、交通費節約に一役買ってくれそうなのが、NTTドコモが運営する『バイクシェア』をはじめとする「自転車のシェア(共有)サービス」だという。会員登録すると、サイクルポートにある自転車を誰でも借りられるという仕組みである。

「私は、月額2200円払えば最初の30分以内が無料になる月額会員になっています。自宅の近所にあるサイクルポートで自転車を借り、最寄り駅まで移動したり、商店街まで行ってパッと短時間で買い物をするといった使い方ができる。タクシーを使う回数が大きく減っただけでも元が取れますし、運動不足解消にもなるので一石二鳥ですね」

一方、マネー事情に詳しいライターの山野祐介氏が注目するのは「金券ショップ」だという。

「新型コロナで遠出を自粛する動きが広がり、期限の限られたJRや私鉄の新幹線などの特急回数券や株主優待券が大きく値崩れしています。例えば、新宿─小田原間で利用できる小田急電鉄の株主優待券が100円といった具合に驚くような値段で売られていたりします」

また、乗降客数が大幅に減少している空の便にも値下げの波はやってきているという。

「金券ショップの流通の多い商品である航空会社の株主優待券(国内航空券が半額で購入できる)もこれまで見たことのないような価格で出ています。ANAの株主優待券が相場の半額以下の2000円台での販売例もありました。JALの株主優待券も価格は下がっています。利用する予定がある人は今が買いといえると思います」

新型コロナによる影響がいつ収束するのか予想が難しいが、自身の予定と照らし合わせ、期間を確認したうえで賢い買い物をしたいものだ。

航空優待券を家族4人、往復2回利用で約36万円カット(羽田ー沖縄の場合)

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山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。中央大学法学部卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。著書に『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)など。
 

山野祐介(やまの・ゆうすけ)
マネー事情に詳しいライターとしてプレジデント誌でもおなじみのファイナンシャルプランナー。複数の雑誌でマネー連載を抱え、お得な情報の受発信を精力的にこなす。得意分野はクレジットカード、ポイント、ケータイなど。
 

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島影 真奈美(しまかげ・まなみ)
ライター・編集者
1973年宮城県仙台市生まれ。国内で唯一「老年学研究科」がある桜美林大学大学院に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。「介護のキーパーソン」として別居介護に参戦し、仕事・研究・介護のトリプル生活を送る。その体験をもとに、新聞や雑誌、ウェブメディアなどで広く執筆を行う。近著に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)。noteTwitterアカウント
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(ライター・編集者 島影 真奈美 撮影=南方 篤)