ハイブリッド車最大のメリットはやはり燃費

 世界初の量産ハイブリッド車として1997年に初代プリウスが登場してからすでに20年以上の時が流れ、もはやすっかり一般化したハイブリッドカー。今ではほとんどのモデルにハイブリッドモデルが設定されるようになり、もはや低燃費競争もひと段落した印象さえあるほどだ。

 ここまで一般化した現在では、ハイブリッドモデルとガソリンモデルの価格差を燃費で吸収しようというのはすでに過去の話で、ハイブリッドモデル特有の静粛性やモーターアシストによるスムースな走りを享受するためにハイブリッドモデルを選択する、という考え方が浸透してきているようにも思える。

 とはいえ、やはり燃費がいいことに越したことはないというのも正直なところ。しかし、ハイブリッドモデルは長年乗ると燃費が悪化してしまうという話もあるのだ。

バッテリーの持ちが悪くなるのは携帯電話と同じ!

 もちろん、ハイブリッドではない通常のガソリンモデルでも、細かい部品の集合体であるエンジンは使用すればするほど摩耗や劣化はするもので、パワーや燃費性能が落ち込んでしまうのはやむを得ないところ。ハイブリッド車も当然エンジンを搭載しているので、エンジンの劣化に伴う燃費性能の低下は発生してしまう。

 しかし、ハイブリッド車はエンジンだけではなく、電気の力でモーターを駆動している。このモーターを駆動させるための電気を貯めるバッテリーの劣化こそが燃費悪化の要因となってしまうのである。

 一般的なハイブリッド車のバッテリーには、携帯電話のバッテリーと同じくリチウムイオン電池が使用されており、充電と放電を繰り返すことで徐々に劣化してしまう。携帯電話も長く同じ機種を使用していると電池の持ちが悪くなったと感じることがあるが、あれと同じ状態が起こるのだ。

 ハイブリッド車がそうなると、バッテリーに充電するためにエンジンが始動する回数や時間が増え、結果的に燃費が悪化してしまうというわけだ。そしてそのエンジンも摩耗や劣化によって効率が落ちているということで、ダブルで燃費悪化の要因となってしまい、ガソリンモデルよりも燃費の悪化を実感してしまうというわけである。

 とはいえ、ハイブリッド車のバッテリーの性能も飛躍的に向上しており、通常の使い方であれば10万キロ程度は極端な劣化を感じることなく走ることができる。使い方によっては20万キロ以上持ったというユーザーもいるので、そこまで悲観的になることもなさそうだ。