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レンタカー 強く勧められる「免責補償」とは

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

これまで一度もクルマを所有したことがなく、自動車保険のシステムも良くわからない人にとっては、免責補償と保険の違いを明確に理解するのは難しいかもしれない。

免責補償と保険を混同している人もいるが、まったく別モノである。

レンタカーにおける「免責補償」は、1日あたり1000円〜2000円(車種やサービス内容によって異なる)程度支払って加入すれば免責分の5万円〜15万円を肩代わりするサービスとなる。

免責補償とは、その名の通り「免責を補償する制度」のことで、レンタカーの保険に設定されている「対物5万円」「車両5万円」などの「免責金額」を補償する制度だ。

免責5万円とは、保険を使って修理するような事故が起こった場合、その修理代金が30万円だったとすると、5万円は自腹で支払い、あとの25万円が保険から支払われるということである。

レンタカーにおける「免責補償」は、1日あたり1000円〜2000円(車種やサービス内容によって異なる)程度支払って加入すれば免責分の5万円〜15万円を肩代わりするサービスとなる。

「免責補償に入らないと事故が起こっても保険が出ない。何百万円を自腹で払わないといけない」ということではない。

レンタカー料金の中には、あらかじめ各種の保険料(対人と対物は無制限、車両→最大時価額)が含まれている。

しかし、最近、レンタカーを借りると、やたらとこの「免責補償」を勧められる。中には、やや脅し気味?に勧めてくるところもある。

免責補償は7〜8割の申込み 使われるのは約1%

筆者がこれまで借りたレンタカーのカウンターには、「免責補償加入のお願い」と書かれた紙が10〜20枚貼られているところもいくつかあった。

とくに、沖縄や北海道など外国人のレンタカー利用者が多い場所では強く勧められる。

筆者がこれまで借りたレンタカーのカウンターには、「免責補償加入のお願い」と書かれた紙が10〜20枚貼られているところもいくつかあった。

実際にはどれくらいの人が入っていて、実際に免責補償が適用されるのはどれくらいの事例があるのか?

タイムズレンタカーに聞いてみたところ、以下のような回答を得た。

「恐れ入りますが非開示とさせて頂きたく、ご了承下さい」

日本レンタカー協会にも聞いてみたところ、「免責補償はレンタカー会社がそれぞれの基準で運営している制度ですので、協会では把握していませんし統計も出していません」という答えだった。

そこで、筆者自身がレンタカーを借りるときに何度か聞いてみた答えを総合すると……
・免責補償を付ける人は7〜8割
・実際に免責補償が使われた例は100台に1台あるかないか
という状況のようだ。では、使われなかった免責補償はどうなるのか?

それは、掛け捨ての保険と同様、使われなくても当然、レンタカー利用者に返金されるわけもない。

要するに、レンタカー会社の利益になるということだ。

最近は大手レンタカー会社も、格安レンタカーに対抗すべく料金を格安にしているところも多い。

それで、免責補償を強く勧めてくるのだろう。

レンタカー各社の免責補償の内容は?

一般的な免責補償制度は、以下のような内容となっている。

車両・対物事故免責額補償制度(CDW)
加入料:1000円(税別)

車両・対物事故免責額補償制度(CDW) 加入料:1000円(税別)というのが、一般的な免責補償制度。

これに加えて「安心補償」などの名称で、CDWの加入料に加え+300〜500円前後にて、NOC(ノンオペレーションチャージ・休業補償)までを補償する制度を設定しているレンタカー会社も存在する。

NOCとは、事故などでレンタカーの車両が使えない(つまり貸し出せない)状態となった際にその分の補償を利用者は負担するというシステムだ。スタンダードなNOCは以下となる。

・自走して予定通り営業店に返却した場合:1日あたり2万円
・自走できずレッカー車などで返却した場合:1日あたり5万円(レッカー代は別)

さらに、プラス費用を払ってロードサービスや途中解約手数料なども無料になったり、減額になったりするサービスを設定しているケースもある。

ちなみに、JAF会員であれば、レンタカーを使用している時にも会員サービスが対象となることを覚えておきたい。(任意保険に付帯される無料ロードサービスは契約車両にのみ有効なので、レンタカーには適用されない)

免責補償+αで1日2000円以上をレンタカー料金とは別に支払う?

免責補償に始まる各種の補償を手厚くしていると1日あたりの費用は2000円を突破する。

格安レンタカーを3日間借りてレンタカー料金が1万円だった場合、補償の費用と合わせると1万6000円だ。

中には免責補償があらかじめレンタカー料金にセットされている会社もある。

中には免責補償があらかじめレンタカー料金にセットされている会社もある。ネット予約で最後に免責補償が外せると思ったが免責補償込みの料金設定で外せないのだそう。

レンタカー協会にも確認したが、強制加入という形でも問題ないそうだ。

補償がどこまで必要かは、よく考えて選択すればいいが、中には免責補償があらかじめレンタカー料金にセットされている会社もある。

「たびらい」というサイトでレンタカーを借りようとした際、ネット予約で最後に免責補償が外せると思ったが、ここは最初から免責補償込みの料金設定だ。

確認してみたところ、免責補償だけを外すことはできないとのこと。レンタカー協会にも確認したが、事実上の強制的に加入という形でも問題ないそうだ。

いっぽう、ここまで強く加入を勧められる免責補償だが、格安レンタカー会社においては入れない利用者がいる。
1 21歳未満のドライバー
2 免許取得から1年未満のドライバー
3 国際免許証でレンタカーを利用するドライバー
4 過去に事故歴があり、当社が不適当と認めた場合

1、2、4は、ほぼどのレンタカー会社にも適用されており、3はレンタカー会社によってさまざまな設定がある。

いくつかのレンタカー会社に聞いたところ、初心者や外国人ドライバーは保険を使って修理するような事故を起こす確率が高く、免責補償が適用されるケースが多い。

レンタカー会社としては、採算が取れない危険性が高いということだろう。