韓国が日本の旭日旗にしきりにイチャモンをつけている。来年の東京オリンピックにからめて嫌がらせは進みつつある。世界で唯一(?)、旭日旗を「戦犯旗」などといって反日メニューに仕立てたのはもっぱら民間の反日マニアだが、今や韓国政府までそれに乗っかっている。韓国側は意気揚々かもしれないが、日本の反韓・嫌韓世論は悪化の一方だ。

【写真】韓国のソウルで大繁盛している「旭日旗居酒屋」

 この韓国の反日・旭日旗シンドロームのことを先日、日本のテレビ討論で「病的」と語ったところ、司会者から「その表現はまずいと思います」と叱られた。同席者が後でささやいてくれたが、日本では「病理的」といえば問題ないとのことだった。


自衛隊観閲式で掲げられた旭日旗 ©AFLO

旭日旗問題で思い出す「パブロフの犬」

 筆者は以前、近年の韓国における旭日旗拒否反応のことを「パブロフの犬みたい」と皮肉ったところ「またクロダ妄言」とネットなどで叩かれた。

「パブロフの犬」とは、旧ソ連の生理学者パブロフ博士が犬を使って条件反射の研究をしたことからきている。犬にベルの音を聴かせてエサをやるということを繰り返すと、犬はベルの音を聴いただけでヨダレを流すことが分かった。

 博士はこの条件反射の解明でノーベル賞を受賞したが、後に学問とは関係なく、俗に実体は無いのに思い込みなどからむやみに反応することを「パブロフの犬」と皮肉るようになった。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」のたぐいである。

 旭日旗問題でなぜ「パブロフの犬」を思い出したかというと、韓国人の拒否反応が日本の自衛艦旗になっている旗だけでなく、赤と白の陽光風の模様を見ただけで「あっ、日本軍国主義!」と騒ぐようになっているからだ。

東京パラリンピックのメダルにも「旭日旗狩り」の手が……

 その代表例はロンドン五輪(2012年)の日本の女子体操選手のユニフォーム。赤と白の縞模様だったのを韓国メディアが見咎め「政治的宣伝行為だ!」と騒いだ。IOC会長のところまで告げ口に駆け込んだが、この時は相手にされなかった。

 この延長線上で、来年のパラリンピックのメダルのデザインも旭日風だといって、韓国パラリンピック委員会は日本に文句をいってきている。

 そのほか、英国留学の韓国人女子学生が大学出入りのランチ屋から買って食べた「お寿司弁当」の包装紙に旭日デザインを発見。英国人の業者に抗議して止めさせたという自慢話が韓国マスコミを飾ったり。寿司を食べながらの反日だから面白かったが。

 ついには赤白にとどまらず、米ニューヨークではさる銀行のビルの壁に描かれた抽象画が、放射状の黄色い陽光だったにもかかわらず「日本軍国主義を思い出す!」という顧客の在米韓国人に抗議され、撤去にいたったとか。

 韓国内でもコメディアンが赤白ラインの衣装でテレビ出演したところ、ネット世界で「旭日旗を連想させる!」と叩かれ「国民の皆さまへの謝罪」を余儀なくされている。旭日ないし陽光デザインはもはやタブーなのだ。

 まさに「パブロフの犬のヨダレ」である。このような“旭日旗シンドローム”は韓国内外で枚挙にいとまがない。これに味を占めた“旭日旗オタク”みたいな徐敬徳・誠信女子大学教授などもいて、内外での反日発信がマスコミを飾っている。

そんな韓国で「旭日旗居酒屋」が大繁盛!?

 ところがそんな韓国なのに、旭日旗が“売り”(?)の日本風居酒屋があって韓国人で大盛況なのだ。ソウル中心街の大通りに面したビルの2階で、赤提灯がぶらさがっている。そして店の入り口には何と、例の旭日旗がついた朝日新聞(!)のでっかい看板がドーンと掲げられているのだ。

若いサラリーマンやOLでにぎわう店内

 頭に白地に旭日鮮やかな朝日新聞の社旗が描かれ、大きく「朝日新聞」と記されている。日本で朝日新聞の販売店などによく見られる看板だが、客寄せに格好とばかり日本からもってきたようだ。主人はもちろん韓国人。反日ムードのご時勢をよそに実に愉快な店である。

 店内にはレトロな旭日デザインの旧「アサヒビール」が描かれた宣伝ポスターも張ってある。人気メニューはもっぱら、焼き鳥にビールは「アサヒの生」といったところか。あたりはビジネス街でもあるが、アサヒビール排撃に血眼のマスコミが扇動する反日・不買運動もものかは、店は若いサラリーマンやOLで連日、にぎわっている。

 店の名前については、朝日新聞、いや旭日旗保護(!)のため、ここではあえて紹介しない。ひょっとして「パブロフの犬」が抗議に押しかけるかもわからない? いや、韓国では朝日新聞はもっぱら親韓的と思われているから大丈夫か? 屋号は「あさひ」でないことだけは確かだが。韓国流にエールを送れば「旭日旗、ファイティング!」である。

(黒田 勝弘/文藝春秋 2019年11月号)