学生の窓口編集部

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夏休みの宿題で誰もが敬遠するものといえば「自由研究」ではないでしょうか。朝顔の観察日記のような昔から定番のものもありますが、自分で企画を考えてそれをやり抜くのはなかなか大変です。この自由研究で優秀と評価されるのはどんな研究でしょうか? 夏休みの自由研究については、区・県・市などの地方自治体、また各種団体で優秀作品が選定されています。優秀作品と評価された研究をピックアップしてご紹介します。

■算数・数学の自由研究!

『一般財団法人 理数教育研究所』では、算数・数学をテーマにした自由研究の作品コンクールを2013年度から実施しています。本コンクールでは「児童・生徒が日常生活や他教科の学習などから興味をもった事象を、数学的な見方・考え方を活用して主体的に探究した作品を募集」しています。2015年度の受賞作品の中には……。

●「きみはどっち? ぼくはこっち!」
⇒塩野直道賞・小学校低学年の部

京都府・洛南高等学校附属小学校1年生・仲野勇毅さんの自由研究です。夏休みにいとこと一緒にプールに行った際、別々のウォータースライダーに乗ったところ、いとこの方が先に滑り終わっていました。そこで、4つあるスライダーのうち、どのスライダーに並ぶと一番速く滑り終わるのか、を研究しています。そのスライダーでは滑り終わるまでに何秒かかるのかを調べ、各スライダーに何人並んでいるかで、一番速く下に着けるのはどのスライダーかを判断できる表組を作り上げています。

●「坂道の勾配(角度)と高台の高さを測定してみる」
⇒塩野直道賞・小学校高学年の部

兵庫県・仁川学院小学校5年生・小野塚祥峻さんの自由研究です。小野塚さんの家は「男坂」という急な坂を上った高台にあります。この男坂の勾配は何度ぐらいなのか、またどのくらいの高さなのかを調べています。興味深いのは、水槽を用いていることです。水槽に水を入れ、水槽の外壁に水平線を引いておいて、これを坂に置きます。すると水が坂の勾配に沿って傾きますから、水平線からの傾きから何度なのか、分度器で測るのです。また、坂の高さは両目の視差から相似三角形を描いて求めています。

⇒データ出典:『一般財団法人 理数教育研究所』の「算数・数学の自由研究の歩み -過去の受賞作品」
http://www.rimse.or.jp/research/past/winner3rd.html

■「自然観察」の自由研究

「自然科学観察コンクール」は、1960年(昭和35年)から続いている全国の小・中学生を対象とした理科自由研究コンクールです。2015年度に文部科学大臣賞を受賞した自由研究は以下のようなものでした。

●「カマキリの食べ物の研究」

⇒文部科学大臣賞・小学校の部

東京都・杉並区立杉並第十小学校3年生・渡辺弐子さんの自由研究です。公園で見つけたカマキリを家へ持ち帰ります。そのカマキリに、イカの刺し身やゆで卵の黄身など、さまざまなものを与えてみました。また、そのカマキリが産卵したので、卵を孵化(ふか)させ育てるのです。『ファーブル昆虫記』で、かのファーブルも生まれてすぐのカマキリにいろいろエサを与えるのですが、結局全滅させてしまいます。渡辺さんは試行錯誤しながらついに成虫にまで大事に育て上げるという快挙を成し遂げます。

●「スギナの研究 つくしの生える条件」

⇒文部科学大臣賞・中学校の部

岐阜県・岐阜大学教育学部附属中学校2年生・杉江実咲さんの自由研究です。杉江さんの家の庭にはさまざまな植物が生い茂っています。中でも「スギナ」は最強と目されるほど強い繁殖力を持っています。しかし、スギナが生い茂っているのにつくしが出ない場所、年によって出る場所にばらつきがあったりするのです。3年にわたって、各場所に生えるつくしの本数、土地のpH値などを計測し、つくしの生育について考察を行っています。

⇒データ出典:『自然科学観察コンクール』の「第56回自然科学観察コンクール」
https://www.shizecon.net/award/

賞に輝いた直近の自由研究の中から、ほんの一部を紹介しましたがいかがだったでしょうか? どの研究も知的な好奇心を刺激される内容であることがお分かりいただけるでしょう。自分が好奇心を持つものをテーマにして、それを科学的に突き詰めれば面白い自由研究になるのですね。あなたは、これまで夏休みの自由研究ではどんな作品を仕上げましたか?

(高橋モータース@dcp)